アドバンスドドライブアシストディスプレイと呼ばれる7インチTFTのデジタルパネルに、9インチタッチスクリーンのナビゲーションシステムを連結させた運転席まわりは先進感が漲っている。フローティングしたセンターコンソール、電子制御タイプのセレクターノブなども、そんな雰囲気を強調する。先代に較べると小型化の分、後席は若干、狭くなっているというが、それでも依然としてクラスベストをキープ。決して高級素材をふんだんに使っているわけではないがクオリティ感もあり、室内の雰囲気は上々と言える。
内外装のデザインだけを見ても、思い切りの良さが伝わってくるが、そんなあり方は見た目だけでなく中身にも貫かれている。実は今度のノート、パワートレインはe-POWERだけの設定で、ガソリンエンジン車は用意されないのだ。もちろんe-POWERは人気が高く、クルマのイメージも直球で訴求しやすいだろう。それでも、まだ一定の売り上げがあったクルマをやめてしまうのだから潔い。
実はこの新型ノート、テストコースで事前にステアリングを握ることができた。この時の印象が、冒頭に記したことに繋がっている。つまり、その出来映えは期待をはるかに上回るレベルにある。
よりゆったりと穏やかに走れるようになった
そのe-POWER、発電用1.2Lエンジン、そして駆動用電気モーターはそれぞれ出力が高められ、アウトプットは最高出力116PS、そして最大トルク28.6㎏mを実現している。おかげで全域、格段に力強さを増しているのだが、速くなったというよりは速度コントロールが易しくなった、よりゆったりと走れるようになったという感触である。
もちろんワンペダルドライブは継承していて、右足の微細な動きで車両の姿勢をコントロールする愉しさは変わらず。クルマとのこの一体感は他ではそうそう味わえないものだ。アクセルを戻しても減速感が急激に立ち上がらず、穏やかに走れるようになったのも朗報。高速道路で一定速度を維持して走るのなども俄然ラクになっているに違いない。
静粛性が高いことにも感心させられたが、これは新しいプラットフォームに拠るところも大きいに違いない。ボディ剛性は30%アップだといい、局部剛性はステアリング剛性90%アップ、サスペンション剛性10%アップといった数字が並ぶ。遮音構造も相当煮詰めたということだ。何しろ電気モーター駆動のクルマは却って色々なノイズが目立つからである。
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