日本生まれ「トランスフォーマー」米で開花の訳 興行収入累計5000億円、経済効果は1兆円超

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このように、コンテンツは稼げるのだ。だから、稼げるコンテンツには高額の値段がつく。

ディズニーは2006年にピクサー・アニメーション・スタジオ(以下、ピクサー)を74億ドル(約8140億円)、2009年にマーベルを40億ドル(約4400億円)、そして2012年にはルーカスフィルムを40億5000万ドル(約4455億円)で買収している。そして、2019年には21世紀フォックスの映画・テレビ部門を713億ドル(約7兆8000億円)で買収した。とてつもなく大きな買い物である。

しかし、その結果、ディズニーは、これらの企業が所有していたコンテンツとコンテンツ開発力の買収によって、2006年から2015年までの10年間で、年間売り上げを、320億ドルから520億ドルへ、さらに4年後の2019年には、695億ドル(約7兆6000億円)まで伸ばした。

有力コンテンツのシリーズ化を加速

しかも、この売り上げの積み増しは、一時のものではない。

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『アベンジャーズ』で見たように、ディズニーは、買収した制作会社のコンテンツをそれまで以上に積極的にシリーズ化している。

さらにシリーズ化だけにとどまらず、コンテンツを掘り下げて新しいキャラクターも発掘している。『アベンジャーズ』からスピンアウト(派生)した、黒人のスーパーヒーローものアクション映画『ブラックパンサー』(2018年)は、黒人のスーパーヒーローということで、社会現象にもなって大ヒットし、全世界興行収入は13億ドル(約1430億円)を超えた。

コンテンツの経済的インパクトは十分に大きい。

福原 秀己 映画プロデューサー、内閣府クールジャパン官民連携プラットフォームアドバイザリーボードメンバー

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ふくはら ひでみ / Fukuhara Hidemi

1950年、東京都生まれ。一橋大学経済学部卒業後、野村證券に入社。その後、メリルリンチ日本証券に入社。メリルリンチ投信投資顧問代表取締役社長、メリルリンチ・マーキュリー投信投資顧問代表取締役副社長、メリルリンチ日本証券取締役副社長を歴任。2004年、日本のマンガ・アニメを海外で総合展開する米国VIZ Media,LLC(ビズメディア)の社長兼CEOに就任。コンテンツの複雑な権利関係をまとめ上げ、日本文化を各国で受け入れられる形に適応させ欧米にビジネスを拡大展開。2008年、VIZ Productions,LLC(ビズプロダクション)を設立し、念願のハリウッド進出。トム・クルーズ主演『オール・ユー・ニード・イズ・キル』などをプロデュース。

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