日本生まれ「トランスフォーマー」米で開花の訳 興行収入累計5000億円、経済効果は1兆円超

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タカラトミーは、トランスフォーマーのハリウッド映画化によって、とくに目立った効果を享受しているわけではない。

2007年度の有価証券報告書で、1作目の映画による増収効果に多少言及したものの、その後はトランスフォーマーで大きく潤った形跡は見られない。なお、2011年度の売上増は、まったく別要因によるものである。

タカラトミーが儲け損ねて惜しかったというよりも、ハズブロがよくやったということだ。まだ誰もトランスフォーマーなどをよく知らない1984年に、権利を買収しているのだから。

タカラトミーに残ったのは、結局、日本での玩具販売権だけであった。その後のトランスフォーマーの世界規模での大ブーム……その果実を十分に得ることはなかった。

日本にアイデアはあるけれど…

アメリカはコンテンツを「運用」し、ビジネスを「構築」するのがうまい。チャンスをつかんだら一気に攻めて、会社を次のステージに押し上げることに長けている。アメリカには、短期間で巨大化してくる企業がつねに存在する。

「機を見て攻める」、いわゆる「選択と集中」……アメリカの企業は、これが上手だ。そうでないと生き残れない、ともいえる。これは、日本の企業にとっての課題ではあるが、下手だということではないはずだ。「わかっちゃいるけど」という状況なのだろう。

それよりも強調したいことは、日本にはアイデアがあるということだ。トランスフォーマーに関していえば、ビジネスを持っていってしまったのはアメリカだが、トランスフォーマーのオリジナルである「変形ロボット」という玩具領域を開発し、世界に知らしめたのは、日本なのである。

日本のコンテンツ開発力が、すべての源泉なのだ。

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