エプソン、リモート急増で脱「紙」戦略の成否 トップが語る「コロナ後」のプリンター市場

フレキシブルな生産体制を構築
――家庭用インクジェットプリンターの売れ行きが好調です。
10月に通期業績予想を上方修正したのは、想定以上に在宅需要が継続しているからだ。中でもインクカートリッジモデル(のプリンター)の需要が増え、それに伴って消耗品であるインクの需要も増えている。新型コロナの影響でプリンター本体の生産拠点で(生産の)遅延はあったが、インクの生産拠点は分散していたため、インク需要をしっかり取り込めている。
在宅勤務が根付いた北米では引き続きインクジェットプリンターの需要が高い。日本やヨーロッパの需要は一段落したものの、堅調に推移している。大容量インクタンクモデルが人気だった新興国も感染者は多いが、経済活動が正常化しつつあり、再び需要が高まっている。
こうした需要を逃さないために供給遅延の解消が重要だ。生産拠点を分散させるというのが大きな指針になる。生産体制を分散できたのはまだ一部で、今後は何があってもフレキシブルに生産できるような体制構築を目指す。
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