超小型一眼カメラに参入続々、変わる2強の勢力図--ソニー、パナ、オリンパスの挑戦
東京都新宿区の江上料理学院。木曜日の夜7時、カメラを手にした女性が続々と集まってきた。多くは趣味でブログを書く会社員や主婦だ。
彼女たちの向かう先は料理講座ではない。プロカメラマン4人を講師に招いての、料理写真の撮り方講座。「作った料理をきれいに撮りたいという要望が急増した」(主催者の江上種英氏)ことから、昨年11月に開講。定員20人のうち7割が女性で、2時間6300円の講座はすぐに満員になるという。
超小型一眼を持参していた20代女性は「ブログ用にいい写真を撮りたいが、一眼レフは大げさで恥ずかしかった。このサイズなら、友人と出掛けるレストランなど外出先で取り出しやすい」と話す。
料理投稿サイトや個人ブログはここ数年で急激に浸透。牽引役である女性の写真へのこだわりも増している。求められているのは、いつでもどこでも、きれいな写真を撮れるカメラだ。
「小さい」「軽い」を生かし、「持ち歩きたい」ニーズを掘り起こした超小型一眼。自己表現の欲求もブログ文化も万国共通。今後5万~6万円程度に価格を下げられれば、国内に加え海外でも一気に普及しそうだ。
本格的な競争時代にカギ握る1台目需要
今年1月には韓国サムスン電子が新製品「NX10」を投入。年内にはソニーも続く。カニバリゼーションを恐れるキヤノン、ニコンの2強は今のところ様子見。「近い将来1000万台市場に成長する」(オリンパスの川俣尚彦取締役)との見方もあり、本格的な競争はこれからだ。