「コロナ疲れ」を回復させる強制リセット術 「感情を動かすこと」が生きる原動力になる

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人とのやり取りは、楽しいことばかりではなく、軋轢もあれば、腹が立つことも悲しくなることもあります。しかし、その感情の動きこそが、生きていく原動力になるのです。

これは、話すことによる「カタルシス効果」(心の浄化作用)によるものです。湧き上がってきた気持ちや、考えを人に伝えるには、思いを言葉に置き換える必要があります。人に伝わるように言葉を選び、それを相手に伝えるべくエネルギーを向ける、この一連の作業が、自分の気持ちを形作り、また整理をすることにつながります。結果、漠然としていたものが見えてきて、すっきりとした感覚を得ることができるのです。

さらに、気持ちが整理されることで、狭かった視野が広がり、次の思考を始めるために、異なる考えを受け入れる余裕ができます。それによって、問題が解決に向かいやすくなる効果があります。

これを疑似体験できるのが、SNSの存在です。随時、うまく活用すれば、対面で話をするのと似たような感覚が得られると思います。

しかし、残念ながらSNSがリアルを超えることは決してありません。すばらしい景色を映像で見るのと、その場で体験することの違いを、誰しも感覚的にわかるはずです。

ぜひ、きちんと距離を保ち、マスク着用するなどの予防策する、もしくはオンラインや電話を通じて、日常の何気ないことや自分の気持ちを吐露する場を持っていただければと思います。

映画やドラマに「集中する、夢中になる」

次に気持ちのリセット方法ですが、なかなか気持ちを切り替えることは難しく、誰もが苦慮しているところかと思います。

ずっと同じことを考え続けてしまう、不安なことや嫌なことがあればなおさらです。誰かに言われたひとことがリフレインしたり、事あるごとに頭をよぎるということもあるでしょう。その気持ちを一時的にもシャットアウトする時間が、気持ちのリセット時間になります。

そこでお勧めするのが、感情を動かすこと。映画、ドラマ、お笑い、スポーツ観戦など、自分の気持ちが動くものをチョイスしてください。不安やつらさとは違うことに「集中する、夢中になる」ことで、一時でも、その世界に浸り、泣いたり笑ったりといった感情を動かすことが大切です。

記憶喪失にでもならない限り、とらわれている何かを手放すことは容易ではありません。ただ、この強制リセットの時間を日々持つようにすることは、心の安定につながります。

また、心と身体は連動しています。びっくりすれば心臓がどきどきする、怒りがこみ上げれば血圧が上がるなどです。気が張っているときは、身体もカチカチになっています。

ですので、それを逆手にとって、身体をほぐすことをお勧めします。

マッサージになかなか行きづらいご時世かとは思うので、セルフストレッチや簡単な体操で身体をほぐすことが大切です。お風呂にゆっくりつかるのもこれからの季節はよいでしょう。

身体がほぐれると、心もほぐれますので、心が固く、苦しくなってしまっている方だけではなく、同じ姿勢を続けている人にも心がけていただければと思います。

今年は、本当にさまざまなことに翻弄されて、心身共につらい日々を過ごされた方が多いと思います。どうか健やかに新しい年を迎えられますよう願っています。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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