NiziUをゴリ押しと言う人が的外れでしかない訳 最速「紅白」、冠番組、CM出演の快進撃は必然

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「ゴリ押し」という考え方のもとは、「特別扱いが目に余る」という違和感によるものですが、それはここまで書いてきたように、各メディアが売り上げをアップさせるために行っているもの。NiziU本人のために特別扱いしているのではなく、各メディアのビジネス戦略であり、決して「ゴリ押し」しているわけではありません。

それでもまだNiziUのことを「ゴリ押し」と感じる人は、「努力している人や、成功している人をうらやみ、否定したくなる」という思考回路に陥っているのではないでしょうか。努力している人や、その上で成功した人ほど、その価値がわかりますし、もし認められなかったとしても、だからといって批判しようとは思わないものです。

NiziUに限らず誰かを「ゴリ押し」とねたみ、否定する人は、「自分もゴリ押ししてもらいたい」という考えがあることの裏返し。できれば努力せずに楽して成功したいから他人の努力に目を向けず、成功をうらやみ、否定したくなってしまうのでしょう。

「国民的アイドル」の扱いは時期尚早

ただ、一部でNiziUのことを早くも「国民的アイドル」として扱っているメディアもありますが、これは明らかに時期尚早。メディアが見る人の目を引くために、大げさな見出しを掲げているだけにすぎません。たとえば、かつてのSMAPや“神7”がいたころのAKB48、現在の嵐などは、メンバーの顔と名前が一致し、国民の誰もが知っているヒット曲がありましたが、NiziUはまだその段階には至っていないでしょう。

「ゴリ押し」という批判の声を挙げる人の中には、嫌韓の人もいれば、他グループのファンの人も、あるいは「ただ見ていない」だけの人もいるでしょう。NiziUの活躍が目立つほどこのような声が増え、なかにはメンバーの顔やスタイルを揶揄する声も散見されます。アンチが増えることは人気者の宿命とはいえ、彼女たちはまだアーティストになったばかりの10代少女にすぎません。自死を選ぶ芸能人が増える中、「ゴリ押し」という言葉も、ひたむきに頑張る彼女たちの心を深く傷つけてしまうものなのです。

おそらくこのコラムを見て、「またゴリ押し記事が出た」「本当に人気があるならこんな提灯記事はいらないはず」などと言う人たちが出てくるでしょう。ちなみに私はK-POPアーティストが特に好きではなく、NiziUを持ち上げるつもりもありません。ただ、10代少女たちをうがった目で見る人が思いのほか多いことが気がかりなのです。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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