NiziUをゴリ押しと言う人が的外れでしかない訳 最速「紅白」、冠番組、CM出演の快進撃は必然

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そして今後は、「歌、ダンス、人柄の質にこだわる」「オーディションのときから追いかける」というNiziUが掘り起こした新たなニーズが、ガールズグループ全般に定着していくでしょう。

「鬼滅」同様に“後追い視聴OK”の強み

次に、ネット記事の多さについて。確かにNiziUに関する記事は多く、エンタメ専門メディアだけでなく、ビジネス系、新聞社系など、ふだんはガールズグループをあまり扱わないサイトの記事も目立ちます。

NiziU関連の記事が量産されている理由もテレビ局と同じように、「業績が上がるから」にほかなりません。NiziUはオーディションのときから追いかけている熱心なファンが多く、しかも日本テレビ、Hulu、YouTubeと視聴者層の異なるさまざまなメディアで放送・配信していたことでファン層も広いため、あらゆる媒体のPV(ページビュー)アップに貢献できるのです。

また、AKB48でトップの座に君臨していた指原莉乃さんやPerfumeのあ~ちゃんなどガールズグループの先輩、さらにマツコ・デラックスさん、南原清隆さん、GLAY・TERUさん、DAIGOさん、藤田ニコルさん、山田裕貴さん、鈴木福さんら多くの芸能人たちが「Nizi Project」を熱く語っていました。このようにインフルエンサーとなりうる芸能人のファンが多いことも、メディア記事が増えやすい一因と言えるでしょう。

ただ、振り返ればオーディション番組「Nizi Project」の配信がはじまった1月から3月ごろまで関連記事はほとんどありませんでした。しかし、「スッキリ」での特集がジワジワと増え、3月にYouTubeでの無料公開がスタートしたことで反響が広がり、4月以降は「勝ち馬に乗れ」とばかりにPVを稼ぐべく右肩上がりでネット記事が増えていったのです。

また、メディア記事の量産につながった要因として大きかったのは、オーディションの「Nizi Project」がネットコンテンツのため、リアルタイムではなく後追い視聴でファンを増やし続けていること。デビューした現在も、「YouTubeで『Nizi Project』を見て、遅ればせながらハマった」という人たちがいるのです。

この「後追い視聴でファンを増やし続ける」という現象は、アニメ映画が大ヒット中の「鬼滅の刃」と同じ。同作はもともと原作漫画のファンがいたうえに、昨年のテレビアニメ化でファンを急増させ、それが現在までさまざまな動画配信サービスで見られるほか、今年は地上波での放送もありました。「鬼滅の刃」のファン層が今なお広がり続けていることが、「後追い視聴でファンを増やすことの重要性を物語っていますし、それが可能なのは「鬼滅の刃」も「Nizi Project」もコンテンツそのものが素晴らしかったからでしょう。

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