日本人頼みの「オーロラリゾート」で起きた異変 一時は社員90人を解雇、生き残り術を模索中
営業再開後、最大の懸念は日本・中国から旅行者が来ないオーロラシーズンの動向だったが、その穴を埋めるように、「海外旅行に行けない」アメリカ人が本土から足を運ぶようになった。時田さんは「コロナが5年前に来てたら、うちのリゾートは潰れてたと思う」と語る。アメリカでオーロラ観光が脚光を浴びるようになったのは、この2~3年のことだからだ。
「2000年代後半に日本でオーロラ観光ブームが起き、中国人に広がった。中国人がフェアバンクスに押し寄せるようになると、それを見たアメリカ人がオーロラに関心を持ち始めた。チナ温泉リゾートも一昨年からアメリカのメディアで紹介されるようになり、『海外に行けないけど、非日常を体験したい』というニーズにうまくはまった」
結果的には昨年と同じくらいの宿泊者数で推移
11月以降、アメリカでも感染が再拡大しており、宿泊のキャンセルも増えているが、クリスマスや年末年始休暇は同じくらい新規予約が入っているという。
「アラスカ州は州外からの訪問者に72時間以内に発行されたPCR検査陰性証明書の提示を求めており、それがなければ隔離されるので、検査で陰性とわかってから予約する人が増えた。直前まで客数が読めず、こちらは振り回されっぱなしだけど、結果的には昨年と同じくらいの宿泊者で推移している」
ただ、地域によって感染対策の厳しさや人々の温度差が違うため、時田さんは「マスク着用が義務付けられた州に住んでいてきちんと守っている人と、『コロナはただの風邪』と思っている人が同じ空間にいて、険悪な空気になることもある。マスクをしていない客の多さに怒って帰ってしまった客もいる」と明かした。
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