日本人頼みの「オーロラリゾート」で起きた異変 一時は社員90人を解雇、生き残り術を模索中
人口密度が低く、車社会でのアラスカは、アメリカ本土に比べれば感染は抑えられ、夏から秋にかけて、1日の新規感染者数は1日数十人にとどまっていた。
だが、10月末からは毎日数百人が当たり前になり、時には1000人を超えることもある。その理由について、時田さんは「旅行者が持ち込んでいるという指摘もあるけど、最大の要因は検査体制の拡充だと思う」と説明した。
時田さんによると、フェアバンクスの高齢者介護施設で働くスタッフは週に2回PCR検査を受けており、無症状感染者が多数見つかっている。また、一般市民も予約なし、無料で検査が可能だといい、時田さんもオフィスで感染者が出た11月上旬、娘と一緒に空港に設置された施設でPCR検査を受けた。
「車で空港に行って、指定場所に掲示されているQRコードをスマホで読み取って申し込むと、ドライブスルー形式で検査を受けられる。検査を受けるのにとくに条件はない。アラスカでも、検査をしっかりやれば毎日これくらいの感染者が出る。誰でもかかるリスクがあると受け止めている」
日本マーケットに忘れられないよう情報発信を
チナ温泉リゾートは、休業中に数千万円の損失を出しながら、「申請できそうな補助金はかたっぱしから申請して」(時田さん)2020年をしのいだ。アメリカ人の価値観は多様で、コロナで自粛する人もいれば、「コロナに左右されない」と普段通りの生活を維持する人もおり、観光業は後者の消費者に支えられている面もあるという。
とはいえ、コロナはいつか収束するはずで、20年かけて耕してきた日本マーケットにその日まで忘れられないよう、どう情報発信していくかが今の課題だという。
中国マーケットの担当スタッフは3月に「先が見えない」と退職した。一方、バイスプレジデントの森さんと時田さんは腹をくくって、オンラインオーロラ鑑賞ツアーなど新しい取り組みを模索している。
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