コロナ禍の飲食店を「おひとり様」が助ける根拠 お店で食事をするのは「団体客」だけではない

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「ソロ客に限定なんかしたら、人数も客単価も下がって逆効果だ」などとお思いになるでしょうか。ところが、そんなこともないのです。そもそも、コロナ以前でさえ外食産業を支えてきたのは、ソロ客の人たちです。

この連載でも、2017年に外食費は1家族以上!独身男は「よき消費者」だという記事で、そのことは書きましたが、今回改めて、2007~2019年までの家計調査のデータを更新してみました。1人暮らし単身勤労者男女と家族世帯(2人以上の勤労者世帯)の期間平均外食費を比べてみても、その傾向は変わってはいません。

具体的には、家族の外食費を100とすれば、34歳までの単身男性の外食費は170、35~59歳では149、34歳までの単身女性も108、35~59歳では70と、35歳以上の単身女性以外はすべて、家族よりソロのほうが外食にかける実額で上回っていることになります。

ソロの外食自粛のほうが店には痛かった

これが、コロナ禍において、外食産業がもっとも打撃を受けた4~6月の第2四半期でみると、34歳以下単身男性の外食費は月当たり▲1.5万円、35~59歳単身男性は同▲1.3万円、34歳以下単身女性は▲9000円、35~59歳単身女性が▲8000円とソロたちの外食費が大きく減少しました。家族は▲6000円なので、外食店舗にしてみればソロの外食自粛のほうが店にとっては痛かったと言えます。

それでも、こうした反論もきます。「ソロの外食費が高いのはわかったが、独身だからといって、全員が1人で外食しているわけではない。そもそも外食は友達や恋人など複数で行くものだろう」と。

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