YouTube時代に「子どもを読書好き」にする技術 親が主導して子どもと本の距離を縮める

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さらに高学年(5、6年生)になったら、子どもが自分で考え、自分の興味に従って選んだ本を読ませるようにしましょう。読書を通じ、多様な視点から物事を考えられるようになる時期であり、子ども自身も自分のその成長に徐々に気づいていくはずです。まだまだ親の見守りは必要ですが、子どもの意見をできるだけ尊重してあげてください。

まとめると、0歳から低学年は楽しむ読書、中学年は好みの幅を広げる読書、高学年は視野を広げる読書という位置づけです。

本を選ぶ際の3つの基準

――子どもの年齢に合わせた本選びについてはわかりました。では、実際に本を選ぶ際にはどのようなものを選べばいいでしょうか?

今回、刊行した本では「小学生なら読んでおきたい理想の本棚246冊」として幅広いジャンルの書籍を紹介しています。このリストについては読者からの反響が大きく、保護者の方が本選びにとても悩んでいることが改めてわかりました。この246冊を選ぶ際に私が判断材料としたのは、次の3つの基準でした。

1つ目の基準は、長い間読み継がれている本かどうか。いわゆる名作と言われているものがこれに該当します。名作に共通するのは、子どもの心に残る登場人物のセリフや物語の中の場面がふんだんに含まれているという点です。誰が読んでも同じセリフや同じ場面で強い印象を与える本は、世代を越えて読み継がれていると思います。ウィーダの『フランダースの犬』、新美南吉の『ごんぎつね』が代表例で、私のおすすめです。

2つ目は、子どもが繰り返し読みたがるかどうか。この基準に当てはまる本の代表例がエリック・カールの『はらぺこあおむし』ですね。子どもが繰り返し読みたがる本には、文章の流れがリズミカルであるという共通点があります。こうした本は、とくに乳幼児や低学年の子ども向けとして「いい本」の基準を満たしています。

3つ目は、子どもの発達段階に合っているかどうか。子どもが低学年なら低学年の本、中学年なら中学年向けの本、高学年なら高学年向けの本を選ぶことが大切です。

次ページ読書で子どもに感じほしいのは1つだけ
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