YouTube時代に「子どもを読書好き」にする技術 親が主導して子どもと本の距離を縮める

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0歳児には、厚みがある本で、素材がふわふわだったり、ざらざらだったりするものを選ぶといいでしょう。本の内容というよりは、五感を刺激するのを目的として、音読する親の声や手触りを楽しませるのです。

次に、子どもが1歳になったら、今度は言葉の響きやリズムを重視して本を選んでいきましょう。単純なフレーズが繰り返されているものがおすすめです。

大きくなってからはどんな本を選ぶ?

――0歳児の時点から本に触れさせるといいのですね。もう少し大きくなってきてからは、どうすればいいですか?

本に親しませるのは、早ければ早いほどいいです。ただし、遅すぎるということもないので、心配する必要もありません。

子どもが2、3歳になると、早い子どもでは自ら本に手を伸ばし始めるケースも見られます。この時期に差し掛かったら、簡単なストーリーを含んだものを読んであげましょう。

さらに4、5歳になると、本好きの子どもは親に読み聞かせをせがんでくると思います。これはとてもいいサインです。4歳くらいまでは簡単なストーリーの絵本でもいいのですが、5歳ころからはよりストーリー性の高いものを読んであげるといいでしょう。

このころになると言葉もかなり上達し、自分で簡単なお話をつくったり、なぞなぞ遊びをし始めたりするはずです。絵本を読んであげるにしても、絵がメインのものからストーリーメインの昔話や童話の本を読んでみてもいいと思います。

幼稚園の年長(6歳)から小学校低学年(1、2年生)にかけては、基本的に「音(おん)」に意識を向けてください。この時期の子どもたちは、基本的に音の響きによって物語の内容をイメージしたり、味わったりしながら、本の世界に浸っていきます。

――続いて、中学年(3、4年生)になってからは、どうすればいいでしょうか?

読書という観点からすると、中学年は大きな分岐点であり、重要な時期です。このころになると読書をする能力が上がり、本のジャンルを広げていく時期に達します。これ以降は、幅広く、そして深く読書する時期に移行するのです。

主人公が冒険をしたり、不思議な世界に迷い込んだりする物語に興味を示す子どもが増えていくのもこの時期の特徴と言っていいでしょう。こうした物語を読みながら、子どもたちは主人公の気持ちに寄り添い、一体化しながらストーリー展開を楽しんでいきます。

中学年では、単に楽しむだけでなく、本から得た知識を活用したり、調べものをするための読書ができるようにレベルアップさせていく必要も出てきますね。

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