「コロナ前後の結婚式」を追って見えてきた現実 2021年はどのようなスタイルが増えるのか
この「大切な人の明確化」は結婚式の今後のカタチに大きく影響するだろう。もともとここ数年の傾向として、結婚式の招待客として形式的に招待する傾向は弱まり、自分が呼びたい人を招待する傾向は広がってきていた。
それが今回の新型コロナウイルス感染症の影響を経て、より加速するように考えられる。つまり建前から本音に向かう。そうなると結婚式の場は、「自分が本当に大切だと思っている人たちが集まる場」になり、その人たちと「ありがとう」と「おめでとう」の深い交換がなされる。この“本質的な相互作用”が強くなっていくだろう。
さらに、大切な人たちが集まる場になっていくため、時間の意味合いや使い方も変わっていく。カップルと招待客の共通体験も増え、ここでしか味わえない時間を大切なみんなと分かち合う。結果としてこれまでよりもじっくり時間を使う方向に向かうと考えられる。
さまざまなウェディングの形が出てくる
実際に、これから結婚式を考えている層に実施したいスタイルを調査すると、ゲストと宿泊して時間を過ごす「宿泊型ウェディング」や、あえてコミュニティをわけて時間を使いたい「2部制ウェディング」など、招待客とじっくり時間を過ごせるスタイルを望む声も出ている。まだまだ兆しではあるが、結婚式の時間の捉え方が少しずつ変わっていくのかもしれない。
今回、新型コロナウイルス感染症の影響により、結婚式において「どこで何を」よりも「誰とどんな時間を」を考えさせられる結果となった。時間の効率化や生産性が進められていく中で、人生の節目である結婚式の時間は、ある種これまで以上に「特別なもの」として捉えられていくのかもしれない。
今後も日々状況が変わる中で、結婚式の状況も大きく変容しながら動いていくが、だからこそ時代と世代を反映してきた結婚式を引き続き注視していき、今後の社会の動向を引き続き考えていけたらと思う。
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