「コロナ前後の結婚式」を追って見えてきた現実 2021年はどのようなスタイルが増えるのか
結婚式において、何が変化し、何が変わらなかったのか。2019年4月~2020年3月までに結婚式をした層を“Beforeコロナ層”と、2020年4月~2021年3月に結婚・結婚予定でこれから結婚式を検討する層を“Afterコロナ層”と置き、分析を進めると、「結婚を機に行いたいこと」においては、「2人が結婚したことを家族・親族に承認してもらいたい」「家族・親族にこれまでの感謝の気持ちを伝えたい」「結婚したことのけじめをつけたい」など、“感謝”“承認”“しるし”にかかわる気持ちに大きな差はなかった。
一方で、「2人の誓いを立てたい」「自分と結婚相手の絆やつながりを確認したい」といった“2人のしるし”に関わる項目は、Afterコロナ層が高い結果となった(結婚式へのコロナ影響調査:ゼクシィ編集部調べ)。
結婚式の本質である“感謝”“承認”“しるし”は、コロナ禍においても不変であり、結婚という人生の節目において求めていることがうかがえる。加えて、この不安定で、不確実な状況だからこそ、より“2人の中で明確な軸”が求められるようになっていると考えられる。
誰が大切なのか、自身への問いが広がる
さらに、新型コロナウイルス感染症拡大後の結婚式意識調査(ゼクシィ編集部調べ)によると、20~40代男女(2020年4月~2021年9月に結婚・結婚予定があり、結婚式を実施予定・するつもりがある20~40代男女)の8割以上が「コロナ禍中に人間関係やライフスタイルに変化があった」(82.0%)と回答している。とくに注目したいのが、人間関係の変化だ。
「コロナ禍中に自分の人生に欠かせない人が誰か明確になった」(54.7%)、「コロナ禍中に自分が大切だと思う人の範囲に変化があった」(51.2%)と、半数以上の人にとって人間関係を振り返る機会になったことがわかる。
外出自粛を余儀なくされ、プライベート空間のみでの生活に変化した。そこで、「社会」や「コミュニティ」との距離を保つようになり、“制限された人間関係”という状況に陥らざるをえなかったのだ。
それまでの日常とは違い、直接会えなくなることで「誰が大切なのか」「誰と会いたいのか」「誰と話したいのか」といった“自身への問い”が広がり、「大切な人の明確化」につながったと考えられる。大切な人が明確になり範囲が狭まった人もいるだろうし、大切な人に改めて気づき、なかには範囲が広がった人もいるだろう。