2ちゃん創設者が訴える「お金教育」の必要性 学校を「就職予備校」にする必要はないけれど
突然ですが、1つ質問です。マクドナルドのビッグマックのバンズには、パラパラとゴマが振ってありますが、そのゴマは何粒くらいでしょう? 答えは約350粒です。300粒でも400粒でもなく350粒なのだそうです。
しかし、多くの人がマクドナルドに期待しているのは、商品をスピーディーに出してくれること。そのゴマが330粒だろうと、360粒だろうと文句は言いません。というか、誰もゴマの数なんて気にしていません。逆に、「正しく数えてから渡そう」などという店員がいたら、お客はしびれを切らして帰ってしまうでしょう。つまらない完璧主義は迷惑なのです。
実は、こうしたことはどんなビジネスにも言えます。Facebookの創業者であるマーク・ザッカーバーグの「Done is better than perfect(完璧を目指すよりまず終わらせろ)」という言葉は有名です。彼のような成功者は、完璧を目指していつまでもこねくり回していることを嫌います。それよりも、70%くらい仕上がったところで一度、リリースしてしまい、不具合があればその都度、対応していけばいいと考えています。
そもそも「完成形」があるという考え方自体がナンセンスです。どんなに周到に準備したところで、どこかにほころびが出てきます。ありもしない完璧を追い求めるより、まずは70%の出来でよしとするほうが効率的なのです。ソニーは、2020年の6月にPS4のバグを発見した人に500万円以上の賞金を出すプログラムをスタートしました。このように、最近ではユーザー側に不具合を探してもらう動きまであります。
「社会」と「学校」の間のギャップが問題
教育も同様で、「70点でいい」という考え方を浸透させていくべきだと思います。アメリカでは、あまりよくわかっていない子どもも、どんどん意見を言います。何か足りないところを指摘されたら、そこを改善していけばいいという考えです。だから、結果的に子どもは自分に自信が持てるし、伸び伸びと育ちます。
一方で、日本には完璧を求める文化があります。子どもたちは間違えることを恥ずかしいことだと思っているので、よほど確信がなければ、意見を出してくれません。たとえ、正解がないような問いに対してでも、先生の顔色をうかがって、「いちばん褒められそうな意見」を探ろうとします。すると、ごく一部の優秀な子どもたち以外は、成功体験を積むことができないので、なかなか自己肯定感が高まりません。
このあたり、大人たちの意識改革が必要だと僕は思っています。ビジネスの現場では、「早く提出しろ」と言われた書類は、早く提出してこそ意味があります。同じ内容なら、誤字はあるけれど5分で提出できた人は、間違いをなくすことにこだわって1時間かかった人より評価されます。
ましてや、「その文字を正しく書いていたか」などということはまず問われません。それなのに、子どもたちは「漢字の書き順」を厳しく指導されます。学校ではずっと細かい部分を見られ、完璧を求められていたのに、社会に出て突然7割の出来でもいいからたくさんアウトプットをしろと言われるのですから、ギャップに戸惑ってしまうのは当然です。
学校を「就職予備校」のようにする必要はありませんが、もう少し、社会で求められる力をつけられるようなカリキュラムや評価基準を導入してはどうかと思います。
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