株主優待で生きる「桐谷さん」のスゴすぎる日常 趣味も健康も友達も「優待」で手に入れた
いずれにしても、優待目的の株は優待が受け取れていることが大事であり、あまり、世の中の状況やそれに伴う株価の変動に振り回されずにすむところがいいのです。
ただし「分散」は大事です。いくらいい株でも一極集中はリスクが高まりますから、いろいろな銘柄を少しずつ持つことをすすめます。
優待株が私の人生を救ってくれた
実は、私がこの手法に行き着いたのは、過去に痛い経験をしているからです。
私は、プロの将棋棋士として活動していた頃から、徐々に株式投資を始めました。私には、もともと勝負師の血が流れているのでしょう。「ほどほどのところでやめる」ということができませんでした。
やがて、資産のすべてを株に費やすようになりました。しかも、当時はもっぱら値上がり益を狙っていたのです。
そんな中、2006年、堀江貴文氏や村上世彰氏の逮捕によってマザーズの保有株が紙切れ同然になりました(平均で10分の1に値下がり)。続く2007年のサブプライム問題、2008年のリーマン・ショックで東証1部の保有株も暴落しました。
リスキーな信用取引を行っていた私は、株価の値下がりによって、毎日200万円、300万円といったお金を支払わねばなりません。夜も寝られず、食事も喉を通らず、糖尿病が悪化して、医者が「生きているのが不思議だ」と驚く状態にまで追い詰められました。
あまり損失の出ていない株はすべて売り、信用取引の損失の支払いにあてました。その結果、株価が下がり、売っても大してお金にならない株ばかりが手元に残りました。
ただ、その株のなかに優待のつくものが結構ありました。現金がまったくない私は、優待で送られてきたコメやレトルト食品を食べ、優待券で買った服を着てなんとか生き延びることができたのです。
このときの経験から、私は優待株(株主優待に力を入れている企業の株)のすばらしさに目覚め、今ではもっぱら優待株専門に投資しています。
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