「アマゾンの薄利多売は真似できない」 AWS担当上級副社長にクラウドサービスを聞く
――AWSの事業は2006年に開始したが、どのように発展、変化してきたのか。
8年前のプラットフォームと比べると、本当に昼と夜ぐらい違う。一つには当時に比べてものすごくサービスの数が増えた。また、それぞれのサービスの中で提供される機能の数も非常に多くなっている。さらに、世界に10拠点を構えるようになり、国際的な大手企業から著名なスタートアップ、政府機関や大学、その他研究機関など幅広い組織が利用するようになった。あらゆる業界の顧客がいて、あらゆる使用事例が出てききた。非常に大規模なビジネスになったとともに、その成長のスピードも加速している。
自前システムに依存しない
――最近では任天堂や日本経済新聞など日本の大手企業で導入が進んでいる。お気に入りの事例は?
ものすごくたくさんある(笑)。例えば、任天堂はソーシャルネットワーク上にあるゲーム「ミーバース」の部分をAWSに移行し、彼らが提供するゲームのストレージとして使っている。そうすることで、独自に展開していたよりコストを10分の1に削減できた。また、NTTドコモは「しゃべってコンシェル」のアプリケーションを全面的にAWS上で展開している。
アンデルセンはパンなどの原材料を調達するのに、さまざまな材料の価格が日々どう変動するか予想しながらコストシュミレーションをしているが、その際に私たちのサービスを使って頂いている。独自にやっていたときは4時間近くかかっていた作業が20分に短縮できたほか、コスト削減にもつながっている。
それ以外にも、今後2~4年の間にワークロードを全面的にAWSに移行しようとしているところもある。オンラインDVDレンタルや映像配信を手掛ける米ネットフリックスが数年前に始めてこの戦略を打ち出したが、同じことを東急ハンズもやろうとしている。すでに人事や経理、POS、給与システムは移行済みだ。これによってかつての75%ほどコストを削減できた。さらに、今後1~2年の間に残りのシステムも順次移行すると決めている。
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