自己肯定感が低い人の「呪い」を解く1つの方法 1日たった3分の振り返りで自分を見つめる

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比べられた経験がいつまでも心の中にトゲのように残っていて、何かを決めるときや評価されるときも自分が及第点に達しているかどうかばかりが気になる。子どもの頃、「比べられて悲しかった」のに、大人になったいま、結局他人と比べることで自分の価値を判断してしまう――そんな方は、実はとても多いそうです。

自分のウィークポイントを振り返って「気づく」こと

わかっているのに比べてしまう、そんな私たちがいろいろな痛みや苦しみの呪縛から離れる第一歩は「気づく」ことです。

「気づく」ためには、まず自分の心をじっくりと深掘りすることが大切です。

私たちは、言葉もうまく話せない幼児の頃から感じてきたさまざまな感情を意識下にため込んで生きています。そして、その積み重ねが、現在の私たちの思考の癖や思い込み、物の捉え方などにも大きな影響を与えているのです。

例えば、新型コロナウイルスの流行で生まれた“自粛警察”という現象もその1つです。“自粛警察”と呼ばれる人たちは、マスクをせずに外出する人や店を閉めていない飲食店やライブハウスに苦情を寄せたりと、「自分は我慢させられているのに、他人がしていないこと」が許せないのです。

そのように自分に直接関係ないことでも、周囲の言動に過剰に反応しがちな人は、小さな頃からの無意識の集積が影響しているかもしれません。

自分の心を深掘りしていく際にヒントになるのが、「生育歴」です。

「生育歴」とは、子ども時代からいままでを振り返り、自分が親からどう育てられてきたか、どんな境遇で育ってきたか、どんな言葉をかけられてきたかなどを振り返ることです。もちろん、きれい事だけでなく、自分のウィークポイントやマイナス面にも向き合う必要があります。

「生育歴」を振り返っていくと、何気ない言葉やささいな経験からも「自分がどこで痛みを感じてきたか」を認識することができます自分がこれまで受けてきた悲しみや苦しみを認識することで、自分の思考の癖や思い込みの傾向を捉えることができるのです。

それを繰り返すことで、自分はどんなことで比べてしまうのか、そのとき自分はどう感じるのか、相手はどう反応するのかなどがわかるようになっていくでしょう

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