社長が2年半出社しない会社が急成長する理由

「ライフシフト」「両利きの経営」に学ぶ人生戦略

だからこそ、僕は誰よりも本を読み、マーケットのこと、経営のこと、世界情勢のことを勉強していますし、それを活かして、「新規事業探索」担当として果敢にチャレンジするのが僕の責務だと思っています。

東京での売り上げが100%だった頃、僕は地方展開を考えて、自分で全国行脚のチャレンジを決意しました。しかし、地方営業には飛行機代など旅費もかかります。当時は社内から「大丈夫なのか?」という声もありました。でも、投資するだけの価値がある。僕はそう決めていました。これは代表取締役だからこそやれたことでもあります。

地方展開が盤石になると、今度は、共同創業者である大畑(貴文)に「今後は海外に出ておく必要があるから、僕はマレーシアに行こうと思ってる」と話しました。大畑には「マジか!?」と仰天されましたが、その理由をしっかりと説明し、今につながっています。

「攻め」+「守り」=「世界展開」

こういった体勢がとれるのは、17年近く一緒にやりながら、思いを共有できているメンバーがいることがとても大きいですね。僕がエッジの効いたチャレンジをしても、そこに乗ってくれる。だからこそ安心してチャレンジできています。

弊社の行動指針の1つは、「革新に挑む」です。インターネットサービスというものは、実は、他社のサービスを模倣してマーケティングに力を入れたほうがラクな業界なんです。でも僕たちは、「それならその会社に転職すればいい」と考えます。今までにない革新的なものを作ろうという価値観を掲げて起業しましたし、それが社風にもなりました。

この社風を体現するにあたって、共同創業者である僕と大畑では、たまたま僕のほうが革新に向いていた。だから僕が代表取締役をやって海外に飛び出しています。僕は、「両利きの経営」には、これが成功事例というものはないと思うんです。会社によって、規模や経営陣の体勢、行動指針などに非常に影響を受けるものだからです。

社内で新しいことをやろうという文化がないのに、1人だけが突っ走っても浮いてしまいますよね。そして、代表取締役がいなくなれば、すぐバラバラになる役員しかいない体勢では、間違いなく崩れてしまう。僕たちがそうならないのは、大畑を含む幹部メンバーが盤石な日本の事業をしっかり守りつつ、僕と同じ思いを持ってくれていることが大きいと思っています。

僕がこうして先端的な攻めの事業にチャレンジできるのは、もちろん勉強して未来予測をしていることもありますが、そもそも僕がテクノロジーの進化をものすごく信頼しているという部分が大きいとも思います。

社内で新しいことを提案すると「そうは言っても」という消極的な反応が起きがちですし、Zoom ミーティングだけでは信頼が得られないとか、やっぱり対面しなければということがよく言われてもいますよね。でも僕は、インターネットごしでも人は恋に落ちるし、非対面でも熱い思いは伝えられるという信念が強い。だから革新に挑めるのです。

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