オンラインで「信頼されない人」の残念な共通点 「メリットのアピール」よりももっと大切なこと

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そのコツとは、話し手が悪者になりかねない「相手のデメリット」も伝えることです。

一瞬で「誠実さ」が伝わるたった1つのコツ

「メリットはともかく、デメリットなんて言っちゃって大丈夫なの……?」

人は誰しも悪者にはなりたくありません。話し手は聞き手にとって心地のいい話だけをして、好かれたいと思うものです。しかし、どんな物事にもメリットの裏側にはデメリットやリスクがあります。

例えば、オンラインでの商談で売り込む商品のメリットばかりを並べ立てる営業パーソンがいたら、どう思うでしょうか?

あなたが疑問点を聞いても真正面から答えようとせず、また別のメリットをアピールし始めます。あなたはその人から物を買いたいと思いますか? デメリットはデメリットとしてきちんと話してもらったうえで、「デメリットを上回るこれだけのメリットが○○にはあります」「○○には××なリスクがありますが、その対応策もしっかり準備してありますのでご安心ください」と論理的に説明する人のほうが誠実な印象を受けますよね。

とくに相手に降りかかるデメリットやリスクが大きいときほど、早めに伝えるべきです。

すると、聞き手は話し手が自分の安全を担保してくれたと誠実さを感じ、感謝をします。

私は予備校講師時代、冬期講習会などの生徒が通常授業とは別料金を支払って受講する特別講座の前には、「この講座は基本ができていない子には合わない。レベルが高い内容を話すから、『基礎をクリアしている』と思う人だけ受講してください」と話していました。

集客や売り上げという意味では「誰でも大丈夫」「どんな学力レベルの子にも絶対必要」と公言したほうが効果的です。しかし、それで基礎のできていない生徒が講座に参加したら、身にならなかったり、自信を失ったりするのは目に見えています。

結果的に、講座の内容についてこれないのをわかったうえで集客する講師は、自信を失った生徒本人のみならず、受講するほかの生徒からの信頼も失うことになるのです。

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