余韻続く「バチェロレッテ」予想外の"真の勝者" 2カ月拘束されても余りある"費用対効果"

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他にも、番組登場時の職業はカフェ店員だった“ちゃみ”こと北原さんは、現在料理研究家としてそのレシピが話題になっていますし、番組終了後も北海道に帰る気配のないマラカイさんはアパレルブランドを立ち上げるなど、活動の幅を広げている様子がわかります。

2カ月の休職に見合うリターンをいちばん大きく受け取ったのは、いったい誰だったのでしょうか

余談ですが、スーツテイラーとしてスーツのよさを世界に知らせたいと言っていたマッキーこと牧野さんは、現在、番組最後に謎に漏らしたホテル経営ではなく、フィットネス事業を立ち上げています。この話、個人的に、じわじわくる。

男同士の友情コラボはこれからも続く?

番組によって彼らが得た財産は、知名度やファンだけではないように見えます。

その後の対談記事や、それぞれのSNS投稿を見ているとわかるのが、番組内ではライバルであった男性同士に強い絆が生まれているということです。

番組では、萌子さんが彼らに与えた影響にフォーカスがあたっていましたが、それ以上に男性同士もお互いに影響を与え合っていたことが、最近の後追い記事からわかります。

これは番組終了後の裏話として披露されたエピソードですが、実はロケ収録最中は、全員ケータイ電話を没収されるのだそうです。

なので、「男性同士、ロケ中におしゃべりしようと思ったら、ホテルの部屋宛に手紙を届けるしかなかった」のだとか。そこで、毎日文通(!)をするようになって、急速に仲が良くなったメンバーもいたそうです。

確かに、番組中、男性だけが集まっているシーンで、突然あだ名で呼ばれるようになった人が出てきたり、妙に仲の良さが深まっている雰囲気が出ていたりと、視聴者が知らない時間を感じさせるシーンがあったのですが、そんな背景があったのですね。

『バチェロレッテ』の配信終了後も、男性出演者同士のつながりを感じさせる投稿が次々とアップされています。

これはひょっとしたら、萌子さんが「誰も選ばない」という選択をしたことも関係あるかもしれません。結果的に、男性陣は一律、「勝者不在」のフラットな立ち位置になったからです。

おそらくこれから、男性出演者の間で、さまざまなコラボレーションが生まれていくことでしょう。

番組内では、選ぶ立場だった萌子さん。でも、番組終了後は、選ばれる立場だった物同士が、次の人生をスタートしている……。

これもまた、リアリティショーの、リアルなところです。

その人の人生にとって、ある出来事が、「起承転結」のどのフェーズだったのかは、死ぬときまできっと、わからないものだと感じます。

『バチェロレッテ』という番組内では、いったん起承転結の「結」まで描かれた物語。でも、実生活においては、それが「転」のタイミングだったり、またある人にとっては「起」のタイミングだったりしたのかもしれない。

そんなことを、最近、考えています。

現場からは以上です。

佐藤 友美 ライター・コラムニスト

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さとう ゆみ / Yumi Sato

1976年北海道知床半島生まれ。テレビ制作会社のADを経て文筆業に転向。元東京富士大学客員准教授。

書籍ライターとして、ビジネス書、実用書、教育書等のライティングを担当する一方、独自の切り口で、様々な媒体にエッセイやコラムを執筆している。

著書に8万部を突破した『女の運命は髪で変わる』(サンマーク出版)、『道を継ぐ』(アタシ社)など。理想の男性は冴羽獠。理想の母親はムーミンのママ。

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