日本およびギリシャ、スペイン、ポルトガルの国債を分析《ムーディーズの業界分析》


・ ムーディーズは、景気回復の持続性とデフレ傾向の再度の強まりを主な要因として、景気回復の勢いを不安視している。

-景気回復の持続性:先進諸国の景気が予想を上回る回復を見せたとしても、国内の景気刺激策の効果が減少するため、日本の景気回復のペースは10年前半に鈍化する可能性が高い。09年に米国を抜き日本の最大の輸出相手国となった中国は政府の与信引き締めに転じ、中国の輸入需要増加も10年には若干減速するとみられる。

-デフレ圧力再上昇:内需デフレーターは、09年を通じ低下、第4四半期にはマイナス2.9%、日銀や多数の市場筋は、11年まで消費者物価が上向くことはないとみている。

・ 日本の信用ファンダメンタルズが改善するには少なくとも名目GDPが持続的に年率3.0%成長することが必要だが、今後数年間はそれが実現することはないとムーディーズは予想。日本の輸出セクターと中国、先進諸国の経済が、もう一段の力強い成長を同時に達成しない限り、日本がこの水準のGDP成長率を達成することはできないとみられる。

ギリシャ、スペイン、ポルトガルの国債について

 本稿は、ムーディーズが発行したレポートの抄訳です。
10年3月5日発表“A Ten-Point Analysis of Greece’s A2 Rating”より
「ギリシャA2格付けの10ポイントの分析」

1. 金融市場は数年にわたり、ギリシャの信用リスクを過小評価していた。その結果、ギリシャの借入金利は、同国の格付けがA1であるにもかかわらず、格付けAaaのドイツとほぼ同水準まで低下していた。ここ数カ月でギリシャの信用リスクに対する市場センチメントが急激に変化する中、投資家は次のような疑問を抱いている。すなわち、なぜムーディーズは、ギリシャの格付けを比較的高いA2(見通しネガティブ)に維持しているのか?

2. これに対し、ギリシャ格付け(A2、見通しネガティブ)の根拠は以下のとおり。
(1) 政府財政は厳しいが、国民経済は豊かである。
(2) ギリシャはユーロ加盟国である。そのため、ユーロ圏内での地位低下と困難な生産性の向上を通した経済の調整を余儀なくされる一方で、通常、他のA格付け諸国(韓国、ポーランドなど)であれば直面するであろう対外支払い危機からは守られている。
(3) 短期流動性リスクは極めて限定的。

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