外国人投資家は、本当に日本株を買うのか ぐっちーさんが読む、ちょっと先のマーケット

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1つ注意が必要なのは、そもそも日経平均が持っている指数としての特性です。単純平均型を基本にしていますから、株価の高い値ガサ株に左右されやすいという、時として理不尽なことが起きます。

政府がここまで関与する相場でいいのか

ですから実際、日経平均が下がっても、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を超えているなんてことが、ザラに起きます。これだけを見て判断をするのは危険なので、前ページのように、こうして売買代金と株価などを並べてみることを、お勧めします。1兆円台の売買金額ですから、要するに市場参加者があまりいない。

この程度だと外資系証券会社がやっているHFT(超高速売買)の出来高だけと言ってもいいくらいですね。

東証の1日の売買代金シェアの約70%は外国人投資家が握っているわけですが、彼らのうち、安値を見つけてきちんと買いを入れる長期保有の投資家はほとんど参加していない様子で、どうやら今後の日本株の行方には相当な疑問をもっているようです。

彼らは当然値上がりをするだろう、という予測に基づいて買うわけですが、今の日本株は、株主としてのリスクをとれるような状況にはない、といいます。いわば根本的な部分に疑いを持っているのです。

1つは先日も取り上げた、麻生財務大臣の、「6月以降に(GPIFに)動きが出てくる」という発言。閣僚による「相場操縦」とも思える発言はアメリカでは信じられず、これでは先に情報を持っている人間に絶対に有利に働くのでフェアではない、という点。

さらに安倍内閣による、企業に対する実質的な「賃上げ圧力」があったと言う点。賃金と言うのは企業業績や経営者の経営姿勢に密接にかかわっているものであって、いわば企業の「独自決定事項」であり、政府が「圧力」をかけて賃上げを施すなどというのは、「経営攪乱」要因であり、株主としての権利を著しく侵害するものだ、というのです。

国家がしばしば企業経営に関与する一党独裁の中国や、プーチン大統領による圧力が常にかかるロシアではあるまいし、先進国の日本でこんなことをやるのであれば株主としての権利が確保できているとは言い難く、投資対象として疑念が残る、という話でした。

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