中国の「揺さぶり」に、屈しない法(上)

商船三井の「次」は避けられるのか

一時差し押さえられた大型ばら積み船「パオスティール・エモーション号」(ロイター/アフロ)

突然、浴びせられた冷や水

中国政府と日本政府の関係は、ふたたび悪化するのだろうか?商船三井が、中国当局にいきなり鉄鉱石船を差し押さえられてしまった。結局、同社は供託金40億円を払うことで、差し押さえの解除にこぎ着けた。だが、日本への中国人観光客が増えるなど、日中間ではこのところ雪解けムードがあっただけに、いきなり冷や水を浴びせられた格好だ。

実は私自身、中国ビジネスを始めた1979年前後は、「困った隣人」にいじめられ、夜も寝られない日々が続いたものだ。おかげさまで、今では付き合い方のツボがわかり、トラブルを乗り越えた。いまでは、隣人とうまく付き合えるようになった。

今回の中国当局の差し押さえをどう読むべきか。もちろん外交の側面も大きそうだが、今回は日中ビジネスの観点から、この問題を深堀りして、取り上げて見たい。

まずは、この件について、改めて簡単に振り返ろう。発端は日中戦争勃発前の1936年。商船三井の前身の一つ、大同海運が中国の船主から貨物船2隻(順豊号、新太平号)を借りたことに始まる。これらの貨物船は日本軍に徴用され、沈没してしまった。

1988年になって、沈没した船の相続人(陳震氏と陳春氏という人物)が、船の賃料をめぐって、中国で損害賠償訴訟を起こした。中国・上海の裁判所は、2007年、商船三井に対し29億円の支払いを命じ、判決は2011年に確定した。同社はその後、和解へ向けた示談交渉を行っていたところ、今年の4月19日になって、上海の裁判所は突然、商船三井の鉄鉱石輸送船を差し押さえたというわけだ。

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