ミネベア、わが世の春を引き寄せた2枚看板 ベアリングが好調、牽引役はそれ以外にも
実は、ベアリング以上に急成長を遂げている製品がある。貝沼社長が「お客様が列を成して待っている」と驚いた様子で話すのは、スマートフォンのディスプレーに使われるLEDバックライトだ。
スマホ需要もガッチリ
好調の要因は米アップルなど業界の“巨人”のほかにも顧客を広げていること。特に、参入が相次ぐ中国のスマホメーカーで、薄型の高級機種が増えている。バックライトモジュールの根幹である薄型導光板に強みを持つミネベアに追い風が吹く。
前期は売り上げが1.5倍に増えたが、生産が逼迫しており、約30億円の緊急投資で今夏までに中国やカンボジア拠点の能力を増強する。最大拠点のタイでも設備拡大を検討中だ。加藤木洋治専務は「スマホ画面が大きくなり生産も難しくなっている。最新型の専用設備に何十億円という単位で投資できる会社はほかにない」と自信を見せる。
リスクヘッジと次への種まきにも余念がない。導光板の生産設備の減価償却について、従来5~10年だったものを、一部は12年度から、残りの大半を14年度から2年に圧縮。利益が十分に出ている間に償却を済ませ、変動の激しいスマホ業界のリスクに備えている。
4月には照明メーカーと合弁の開発会社を設立。導光板の技術を生かすべく、LED照明分野にも進出する狙いだ。
既存技術を生かし、さまざまな事業への参入・撤退を繰り返し、新たな種を見つけてきたミネベア。貝沼社長はかねて「世界の生活水準が上がれば当社の部品が売れる」と話してきた。3年後の目標売上高5000億円の到達は、この好循環をどこまでうまく維持できるかに懸かっている。
(「週刊東洋経済」2014年5月31日号<5月26日発売>の「核心リポート」から転載)
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