第7回(最終回) 「研究」を知らない文系ビジネスパーソン

最先端の情報を知らない日本企業

筆者は商売柄、日本の大手企業の経営層や上級管理職を含む様々な立場の方々と話をする機会があります。最近ではこの連載の前半でお見せしたような研究機関別論文被引用数ランキングや国別論文被引用数ランキングをお見せして、ここまで議論してきたように、日本のビジネス研究力向上の必要性についてお話ししています。

 その際、筆者が必ず尋ねることにしている質問があります。それは、会社にある学術雑誌についての質問です。

筆者はまず、“Business, Management and Accounting”分野で名前の知られているいくつかの欧文学術雑誌(“Administrative Science Quarterly”, “Academy of Management Review”, “Management Science”, “Organization Science”, “Research Policy”……等々)を挙げ、それらが会社にあるか、あるいはそれらの学術雑誌を読む、もしくは掲載されている論文を確認する人が社内にいるかどうかを尋ねます。

 また、経営企画や技術企画部門の方が相手の場合は、社会人になってからご本人がそれらの学術雑誌に掲載されている論文をどこかで見たことがあるかどうかも尋ねます。

 この質問に対する回答はというと、これまで、これらの学術誌が会社に「ある」と答えられた方は一人もいません。また、自分が読むことはもちろん、それらの学術雑誌を読んだり掲載論文をチェックしたりしている人が会社にいる、と答えられた方にもお会いしていません。それどころか、これらの学術雑誌の存在自体を知らない人がほとんどです。

 そして次に、『週刊東洋経済』『日経ビジネス』『週刊エコノミスト』『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』……等々、たいていの本屋さんで雑誌の棚に並んでいる、いわゆるビジネス誌と呼ばれる雑誌の名前を挙げて、それらが会社にあるか、あるいはそれらの雑誌を読む、もしくは掲載されている論文を確認する人が社内にいるかどうかを尋ねます。ご本人が読んでいるかどうかも尋ねます。

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