中国では新型コロナウイルスの影響が徐々に薄らぎ、製造業のビジネスが需要・供給の両面で活発化している。11月2日に発表された2020年10月の財新中国製造業購買担当者指数(製造業PMI)は53.6と、前月の9月の53.0から0.6ポイント上昇。2011年2月以来の高水準を記録し、好不況の判断の目安とされる50を6カ月連続で上回った。
製造業の新規受注指数は5カ月連続で拡大基調を維持し、2010年12月以来の高水準となった。調査対象企業からは「新型コロナの流行による落ち込みから回復が続いている」との声が幅広く聞かれた。
ただし外需の回復はまだ不安定だ。10月の新規輸出受注指数は3カ月連続の拡大基調となったものの、上昇幅は鈍化。その原因は(欧州を中心とする)海外での新型コロナの流行再拡大だ。ある調査対象企業は「輸出先でコロナ禍が再び悪化し、新規受注の伸びが鈍っている」と回答した。
経営者は雇用拡大に引き続き慎重
なお、需給の力強い回復にもかかわらず、製造業は雇用の増加に慎重な姿勢を崩していない。10月の雇用指数は2カ月連続の拡大基調を維持したが、水準は依然50をわずかに上回る程度だ。多くの経営者がコスト増加を抑えるため、従業員の増員を躊躇している実態を示唆している。
今後12カ月間の楽観度を示す指数は大幅に改善し、2014年9月以来の高水準となった。調査対象企業の3分の1近くが、向こう1年間の経営環境がさらに改善すると見ており、新型コロナの封じ込めや経済回復の持続に自信を深めている。
「中国の景気回復局面はまだ当面続くだろう。しかし海外での新型コロナの流行再拡大が外需の先行きを不透明にしている。雇用が完全な回復を果たすためには、経営者がより強く、より持続性のある自信を持つ状況が求められる」。財新グループのシンクタンクCEBMのシニアエコノミストを務める王喆氏は、そうコメントした。
(財新記者:程思煒)
※原文の配信は11月2日
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