中国の製造業はコロナ禍からの堅調な回復が続いている。9月30日に発表された2020年9月の財新中国製造業購買担当者指数(製造業PMI)は53.0と、前月の8月の53.1から0.1ポイント低下したものの、好不況の判断の目安とされる50を上回る水準がこれで5カ月連続となった。
なお、同じ日に発表された中国国家統計局の調査に基づく製造業PMIは51.5と、8月の51.0より0.5ポイント上昇した。財新と国家統計局のPMIを総合すれば、製造業は依然穏やかな景気拡大の過程にあると言える。
財新PMIの関連指数では、9月の新規受注指数は2011年2月以来の高水準を記録し、4カ月連続で拡大基調を維持した。また、海外では新型コロナウイルスの流行が続くなかで経済活動の再開が進んでいる。それに伴って外需が持ち直し、9月の新規輸出受注指数は2カ月連続の拡大基調となった。
好循環が定着するかは予断を許さず
新規受注の増加とともに、中国の製造業はようやく雇用にも前向きになってきた。9月の雇用指数は8カ月に及んだ縮小基調に終止符を打ち、拡大基調へと転換した。とはいえ改善幅はまだ小さい。調査対象企業からは「採用を増やしている」との回答と同じくらい、「自主退職した従業員の補充をしていない」という回答があった。
今後12カ月間の楽観度を示す指数は3カ月ぶりの高水準に上昇し、先行きに対する製造業の自信が高まっていることを示した。顧客の需要が新型コロナの打撃による落ち込みから回復を続けるとの見方が広がり、調査対象企業のほとんどが生産の増加を予想した。
「外需の大幅な持ち直しが、中国の国内景気に相乗効果をもたらしている。とはいえ新型コロナの再流行リスクや11月のアメリカ大統領選挙の行方など、将来は非常に不透明だ。内需と外需の好循環が定着するかどうかは、まだ予断を許さない」。財新グループのシンクタンクCEBMのシニアエコノミストを務める王喆氏は、そうコメントした。
(財新記者:沈凡)
※原文の配信は9月30日
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