中国では「コロナ後」のサービス業の回復に弾みがついている。10月9日に発表された9月の財新中国サービス業経営活動指数(サービス業PMI)は54.8と、前月の54.0から0.8ポイント上昇するとともに、好不況の判断の目安とされる50を5カ月連続で上回った。
9月のサービス業の新規受注指数は前月より小幅に上昇し、同じく5カ月連続で拡大基調を維持した。景気の全体的な好転や(新型コロナ対策で中断・延期されていた)新規プロジェクトの始動が、サービス販売の追い風になっている。
一方、サービス輸出の新規受注指数は3カ月連続の縮小基調となった。調査対象企業の一部からは「サービス輸出への新型コロナの影響は依然として大きい」との声が寄せられた。ただ、9月30日に発表された9月の財新中国製造業PMIの関連指標では、輸出の新規受注指数が2017年9月以来の高水準を記録した。サービス輸出も遠からず底入れが期待できそうだ。
エコノミストの見方はまだ慎重
サービス業の雇用指数は半年に及んだ縮小基調を8月に抜け出し、9月も拡大基調を維持した。9月には製造業の雇用指数も8カ月間続いた縮小基調を脱しており、コロナ後に初めてサービス業と製造業の雇用がそろって回復を示した。
景況感の総合的な改善を受け、向こう12カ月間のサービス業の楽観度を示す指数も拡大基調を維持した。中国のサービス業の間では、新型コロナの流行がやがて収束すればグローバル経済は上向き、顧客のニーズが拡大するとの楽観論が定着しつつある。
もっとも、エコノミストの見方はまだ慎重だ。「中国経済は依然として新型コロナの打撃からの回復過程にある。9月は製造業とサービス業の雇用が同時に改善したが、力強さには欠ける。今後の景気について過度な楽観はできない状況がしばらく続くだろう」。財新グループのシンクタンクCEBMのシニアエコノミストを務める王喆氏は、そうコメントした。
(財新記者:沈凡)
※原文の配信は10月9日
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