新型コロナ「7段階モデル」で今冬の流行を予測

高橋泰教授「98%は風邪、血管が弱いと要注意」

――欧米と日本との重症化率、死亡率の違いは第1に日本では老人ホームや介護施設などで高齢者の隔離が適切に行われていたこと、第2は自然免疫力の違い、第3は欧米人に比べて血栓ができにくいという体質の違いというご説明でした。この点も変わらないでしょうか。

基本的に変わらない。これまで日本の高齢者施設は、徹底した感染症対策と面会謝絶などによって、ハイリスクの高齢者を欧米の施設よりも厳格に感染から守ってきた。これが、日本の死亡率の低さに大きく関与したと思われる。また、日本人は欧米人よりコロナウイルスに接する機会が多く、自然免疫による感作も働く。この2つの違いで、欧米では10%あるいはもっと高い比率で風邪対応よりも先の段階に進んでしまう。

さらに、日本人は欧米人と比べて血液が固まりにくいことも、サイトカインストームに誘発される血栓が発生しにくいことにつながり、日本の低い死亡率の一因になっていると思われる。

欧州での流行にはウイルスの変異という見方も

――現在、欧州で感染が広がり、再び部分的なロックダウンを行っている状況について、どのように考えられますか。

基本的にはGoToキャンペーンと同じで、バカンスに行き若い人を中心に多くの人が感染し、職場復帰のために全員に課せられたPCR検査により大量に陽性者が発見された。この人たちのほとんどは無症状や軽症だが、大都市を中心に新型コロナの蔓延が発生し、血管に傷害がある高齢者が感染・発症・重症化し、医療現場がかなり厳しい状況になり、ロックダウンを行わざるをえない状況になった。

一つ注意すべき情報は、「今年6月にスペインで発生した新型コロナの変異株が、バカンス中の欧州で蔓延し、今回のロックダウンを引き起こしている」というものである。この情報に接する前は、「3~4月にヨーロッパの多くの人が獲得した抗体が、バカンス前に陰性になった」ことにより、バカンスでの感染が広がったのではないかと推測していた。

新型コロナは変異しやすく、これまでも非常に多くの変異の話が出ている。感染の広がりが変異ウイルスの出現によるものなのか、単に、抗体の効果がなくなったからなのかはわからないが、今後の欧州の動向は要注意だ。

今回の変異した新型コロナが日本に入ってきたとしても、上記の日本人の対コロナに対する強みは発揮されるので、今回も欧州ほどには重症者や死亡者は増えないだろう。日本は集団免疫の状態に近づきつつあるとみている。

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