10年ノマド夫婦がたどり着いた「職遊融合」の場 今でこそワーケーションが叫ばれているが…
「そこで都市型バンライフを始めたんです。まずは1987年製のメルセデスのバン『307D』を購入。ベッドやキッチンなど内装はDIYして、ビル内のすべてがシェアできる『永田町グリッド』のパーキングにバンを停めて、ワークスペースを使いながら仕事をしていました。ウェブデザインはネット環境とPCがあればできますから」。
永田町の駐車場を拠点に、ジョニーさんはバンで移動しながら“職場”を変えてきた。
そんな移動型生活を送るなかで出会ったはる奈さんと結婚した後も、バンライフを送ってきた。そうして地方移住とデジタルノマドを手段に、この10年は好きなときに好きなところで暮らしてきたジョニーさん。半面、はる奈さんとは「ゆくゆくは四季のある山に住みたいね」と話していた。
「海か山なら山。暑いか寒いかなら寒い。八ヶ岳、すごくいいよね。そんな話をしていたんです。実際、長野県の富士見町にあるシェアオフィス『富士見 森のオフィス』はよく利用していましたし。そしてLACとの出会いがあって、昨年、LAC八ヶ岳北杜のプロデューサーに就くことになりました」
いざ!というときに自立できるようにオフグリッドを
自由に移動する暮らしから、ひとつの場所に根を下ろした暮らしへ。
ジョニーさん夫妻の生活は次のステージに入った。彼らが新しい拠点とするLAC八ヶ岳北杜は昨年7月にオープンしたばかり。東京から車で約2時間でアクセスできる山梨県北杜市にあり、保養所とボーリング場の跡地を活用したおよそ3000㎡という広大な敷地は進化の途中。
ジョニーさんは、屋外でも働けるワーク環境、オフグリッドキャンプの実装、物づくりしたい人が集う実験の場、などのビジョンを掲げ、これからの数年で実現したいと意気込む。
確かに富士山や八ヶ岳連峰という雄大な景色を眺められる環境だけに、施設内で黙々と仕事に励むだけではもったいない。芝生の上やキャンプサイトのテントの中でも電源やWi-Fiに困らない環境を確保し、ここならではのワーケーション体験を提供したいと考える。