小規模店舗が多いコンビニは「密」になりやすい印象がありますし、レジに列を成すスーパーはどうしても接触頻度が高まります。ドラッグストアは、生活維持に不可欠なエッセンシャルワーカーとしてリスペクトされる業界である反面、いざ働くとなると忙しそうで躊躇するとの声が多数ありました。そういった意味で100円ショップは、相対的に「密」になりにくい印象があり、そこが支持されているのです。
生活圏への出店増で身近感
一方、ご近所というキーワードも見逃せません。職場自体が密でなく安全であったとしても、通勤で感染してしまっては元も子もありません。コロナ禍の職場という観点においては、都心のおしゃれなアパレル店より郊外の生活圏に立地するお店のほうが、望まれているのです。
勤務場所でいけば、やはりコンビニが最強です。セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンといった3大ブランドあわせて約5万5000店を展開するコンビニ業界のご近所バイト感は群を抜いています。ここ数年、コンビニ業界はバイトテロやコンビニ強盗といった環境悪化に加え、キャッシュレス化推進によるレジ業務の複雑化など、ネガティブイメージが高まっていました。しかしこのご近所重視傾向がコンビニのアルバイト人気の復活を後押ししています。
勤務場所という観点でも、100円ショップの印象は悪くありません。ここ数年店舗数が順調に増えていますし、出店場所の多くは生活圏にあります。身近感がぐっと向上しているのです。
「子どもが幼稚園に行ってる間に働こうと思い、仕事を探してたところ、幼稚園の近くにダイソーがあったため応募しました」と、杉並区に住む主婦の高梨さん(仮名)は、100円ショップを選んだ理由を語ってくれました。
もっともアルバイトの職場として100円ショップの人気はここ数年高まっていました。そうした基礎点の高さにコロナ禍の世相が相まったことで、ランキングのトップに躍りでたというのが正しい理解となります。では、なぜ100円ショップが、バイト先としてここ数年人気度が高まっていたのでしょうか。
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