日本のコロナ対策「寄り添う支援」が重要な理由

「帰りたくない」と帰宅を拒む軽症者の若者たち

東京都が自粛を要請しても営業していた夜の街、その理由とは……(写真:xavierarnau/iStock)

私は社会福祉学のマクロ(政策)を中心に政策評価などを研究しています。今年春に従事した厚労省のクラスター班では、コロナ対策のためにデータサイエンスの活用だけでなく、本業のマクロ政策でも活動していました。本稿では、日本の4~8月のコロナ対策について、ミクロ(個人)の視点をもとにマクロ政策として私個人の意見を述べたいと思います。

クラスターの発生源の1つ「夜の街関連」とは?

夜の街というのは、「夜間・早朝にかけて営業しているバーや接待を伴う飲食店」と定義されています。自粛前の東京都の発表では、約30%が夜の街関連の感染者であり、このような場所は感染のリスクが高い「3つの密」がより濃厚な形で重なる場であり、出入りを控えるような要請がありました。

確かに、都の人口と推定した夜の街就業人数から感染率を計算すると、やはり夜の街就業者の感染リスクが高いと想定されます。コロナに感染すると、重症者ならば入院、軽症者ならば軽症者施設(ホテルなど)となります。

私は、もし夜の街の感染者が多い場合は、感染拡大の防止や予防に福祉的な手法が活用できると確信していたので、いくつかの自治体の軽症者施設について調査を実施しました。夜の街関連関係者は従業員と客ということですが、軽症者施設の入所者数がピーク時の状況では少なくとも全体の8割を占めていました。軽症なので部屋で待機することが手持ち無沙汰になり、医療関係者に毒づく人もいました。このような人々がなぜ感染したのか、その行動パターンや意思決定について傾向を分析してみます。

なぜ自粛中なのに営業をしたのでしょうか?

夜の街の経営者には、行政と協調して建設的にコロナ感染を防ぐ対策をしている方もいます。しかしそうではない現場の話をします。

まず、ホストクラブやキャバクラなどの従業員の視点からは「休んだら罰金」という店もあり、ちょっと熱っぽくても休むわけにはいかない状態です。さらにお店の視点からは、自粛中は売り上げが伸びたという声が数多く聞かれました。指名料も多く入ったようです。

さて社会全体で自粛の中、あえて夜の街に行く客はどのような属性なのでしょうか? 言えるのは、その属性は、「加害」や「被害」に近いということです。政府、行政、社会が休業要請しても、コロナ感染のリスクを超えてお店に行くのは当然の行動であり、わが国の現行法では対処方法はありません。客が望むならば営業するのは理にかなっています。つまり自粛「要請」では、止められる状態ではなかったということです。

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