確かに彼女たちはカウンター越しであり、またウーロン茶やオレンジジュースを飲んでいるだけじゃないかと言えば、規制にはひっかかってないのかもしれないが、本質的には未成年の女子学生におじさん相手の接客をさせており、女子高生をロリコン趣味のおじさんにさらすという重大なリスクを負わせている業態である。
また女子高生にとっても、「一緒におじさんと飲むだけで、割のいいバイトができる」という原体験を十代で覚えてしまうと、コカインや覚せい剤の入り口が副作用の軽いマリファナであるように、ずるずると風俗業界にひきずり込まれていく姿が目に浮かぶ。
別に安全な分には、「勝手に女子高生と一緒にウーロン茶でも飲んどれ!」という気もしないでもないが、独りで女子高生2人をつけて喜々としてお酒を飲んでいるバーコードのおじさんを横目に、「将来、こうなったらアカンな……」と自戒しつつ店を去る、新橋の夜であった。
心機一転して、今度は熟女バーに
さて、前述のように、私がご一緒していたのはかなり年配のおじさんだったので、今度は分相応のところに行きましょう、ということで六本木に向かったのだが、そこでは年配のおばさんが客引きをしている。わけありそうなその女性、というかおばさんに聞けば“熟女バー”だという。
ロリコンから熟女への急転直下の展開ではあったが、日本の接客業文化の幅の広さを取材するという大義名分の下、そのしわくちゃのおばさんに連れられて雑居ビルの上のほうの階に、キシキシきしんでいるエレベーターに乗って到着した。
1時間飲み放題で1万円という設定は、六本木の“接客業”にしては安いほうであろう。ただし出てくるフロアレディ――というかフロアおばさんも、本当に普通のおばさんである。中にはひとり、ふたり、とても50代とは思えない美貌を誇っているいわゆる美魔女もいたわけだが、美魔女よりも、単なる“魔女”のほうが圧倒的に多かった。「なんでこんなおばさんばっかり隣に座るんだ!」とフロアのマネジャーを一喝したものの、そういう店に来たのだから致し方ない。
これだったらうちのお母さんと、近所のおばちゃんとで、家でほうじ茶飲んでるほうがマシだわな……とか思いつつ、下品・お下劣極まりない下ネタのオンパレードに耐えつつ、20分くらいでおカネを払って退散したわけだが、女子高生カフェから熟女クラブという、いわば両極のセグメントを経験することで、新たな気づきがあった。
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