「キミスイ」「夜に駆ける」生む投稿サイトの凄み 誰でも小説家になれる時代が到来している

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Web小説投稿サイトの中でも、一風変わった角度から話題を生むプラットフォームもある。それはソニー・ミュージックエンタテインメントの運営するmonogatary.comだ。同プラットフォームは「Web小説にプラスアルファを掛け合わせることで驚きを提供していく」といったコンセプトで3年前に立ち上げられた。

monogatary.comは、毎日更新されるお題に対し、ユーザーがお題に適した物語を投稿していくサイトだ。エッセイやポエムなど形式は問わない。

同サイトでは、音楽作品も生まれている。中でも話題の作品が、YouTubeで6000万回以上も再生されたYOASOBIの『夜に駆ける』だ。

『夜に駆ける』は1億回の累計回数を突破し、オリコン週間ストリーミングランキングでは6週連続の1位を獲得した楽曲。実は『夜に駆ける』も、同サイトに投稿された小説をモチーフに作曲された作品だ。

実績や経験の有無は関係なくなってきている

なぜ、素人の作品から楽曲が生み出されているのか。『夜に駆ける』に携わった、屋代陽平氏は「Web小説自体のクオリティの高さも重要だと考えています。ただ、セリフや設定自体にオリジナリティやセンスが込められた作品も同じくらい大切だと感じています。

それだけに、素人であることや、実績や経験の有無は関係なくなってきているかもしれません」と語る。今後は、Web小説化の楽曲化だけではない、幅広い取り組みも予定しているそうだ。

今回、「小説家になろう」や「monogatary.com」を紹介したが、小説投稿サイトは、この他にも数多く存在している。Web小説の投稿数は増加傾向にあるだけに、いかに才能や優れた作品を見いだしていくのかが課題になってくるだろう。

そんな現状に対してプラットフォーム側は何ができるのか。「投稿する書き手のモチベーションは大きく2つだと考えています。1つ目は誰かに作品が読まれるか。そして、作品が書籍などに展開されるかが大きいと思います。

モチベーションの源泉がないと創作は継続していきません。プラットフォームとしては、いかにヒット作を生み続けられるか。より多くの方が作品に興味を持ってくれるように立ち回れるか。

そして、書き手に対して期待感を感じていただき続けられるように、挑戦を継続していきたいです」と屋代氏は語る。

今後素人の創作はさらに増えていくことが予想される。その中で、ヒット作品を生み続けるには、プラットフォーム側が、いかに書き手のモチベーション作りに貢献できるかも重要視されているのかもしれない。

うすい よしき フリーライター・編集者

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うすい  よしき / Yoshiki Usui

クラウドファンディングサービス「Readyfor」のマネージャーを経て、2018年からフリーライターに。「Voicy Journal」元編集長。記事の編集やライティング、イベントメイキングやコミュニティマネジメントなどを行う。

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