三洋のプリンスが注ぐ住宅設備革命“大河の一滴”《中国を攻める》


 上海万博の日本産業館には、トステムとINAXの2社が出展を予定。さらに、万博と連動したアートイベントを黄浦江沿いの歴史的建造物「外灘3号」で開催する。フェラーリやカルティエといった世界的ブランドがレセプションを開く一流ギャラリーで日本企業がイベントを催すのは初めてのことだ。

ブランドイメージ向上の一方で、消費者が商品に接する機会も増やす。上海中心部にトステムとINAXの共同ショールームを開設。加えて、4月には上海中の住設販売店が軒を連ねる宜山路にトステムのショールームをオープンする計画だ。

トステムの岡崎剛久・万博推進部長は「中国でのわれわれに対するブランド認知はまだまだ低い。何をしている会社か、消費者に知ってもらうための仕掛け作りを進める。今年は住生活Gにとって中国開拓元年になる」と意気込む。

住生活Gがこうしたイメージ戦略を前面に押し出す背景には、日本と中国の市場構造の違いによるところが大きい。日本の住宅であれば、トイレやドアのような内装建材は設計事務所や建設業者が住設メーカーを選定するケースが大半。対して中国では、「毛ピー(マオピー)」というスケルトン状態で住戸が販売される。

物件を購入した入居者は自分たちの趣味に合わせ、建材市場でトイレやドア、キッチンを買いそろえていく方式が主流。したがって、技術力が重視される日本とは異なり、中国ではブランドの知名度や店舗網、イメージ戦略が何よりも重要となる。

住生活Gの中国進出は、決して遅かったわけではない。INAXが1996年に、トステムが2002年にそれぞれ現地工場を建設。日本向けを中心に製品を輸出してきた。ところが、07年の建築基準法改正以来、国内の住宅着工は低迷。一方で、中国の成長とともに人件費が上昇。生産主体の従来モデルは有効性が薄れ、逆に市場としての中国の価値が猛スピードで高まっていた。

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