快活な老後生活のために知っておくとよい基準 健康でいられる期間をきちんと把握する必要も

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厚生労働省の「健康寿命」の定義によれば、“健康でない”とは、「健康上の問題で日常生活に支障がある」状態を指します。若い時にも“不健康”な期間はありますし、いったん“不健康”になっても、また“健康”になることもあります。

したがって、65歳の人は、平均すると、あと男性19.83/女性24.63年間生きて、平均すればそのうち合計で男性14.43/女性16.71年間は“健康”ということになります。余命から健康余命を引いて、65歳以降の“不健康な期間”を計算すると、平均で男性5.40/女性7.92年となります。

健康でない期間は縮小傾向にある

2001年以降の65歳時点の平均余命と健康余命の推移を見ると、その差(“健康でない”期間)は、2010年以降、男女ともどちらかと言えば縮小しながら推移しています。

【2020年10月19日16時追記】「平均余命と健康余命の推移」のグラフの軸の単位が「%」になっていますが、正しくは「年」です。

「健康寿命」が広く注目されるようになったのは、安倍政権における「2013年日本再興戦略」で使用されてからです。直感的にわかりやすいため、頻繁に使われていますが、計算の定義が曖昧なまま数字が独り歩きをしてしまっているきらいがあることが懸念されます。

現在、一般的に使われている「健康寿命」は厚生労働省の基準によるもので、ここで言う“健康”とは、「健康上の問題で日常生活に影響がない」ことを言います。「日常生活」とは、たとえば「日常生活の動作(起床、衣服着脱、食事、入浴など)」、「外出(時間や作業量などが制限される)」、「仕事、家事、学業(時間や作業量などが制限される)」、「運動(スポーツを含む)」など、幅広いものです。

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