第3回 日本の経営学の研究力は低い なぜ日本のビジネス研究は国際競争力がないのか

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日本の経営学の研究力は低い

4年前にヨーロッパで行われた国際学会に出席した際、バンケットで隣に座ったベルギーの大学教授からこんなことを言われました。

 「自分は日本の大学に1年いたことがあるが、どうして日本の研究者は国際的な場に出てこないのだ? 中国や台湾の研究者はとても活発に学会発表や論文発表をしているぞ。日本は今に抜かれるよ」
 この教授の指摘どおり、実態はすでにそうなっていたのです。

 以上見てきた結果は、テレビの討論番組や経済雑誌などでよく見聞きされる「日本には技術があるのにそれが産業競争力に活かされていない」との指摘が真実であることを裏付けているように思います。「技術を産業化する方法」を研究する分野の研究力が著しく弱いのですから。

 しかも、「日本には技術があるのにそれが産業競争力に活かされていない」という指摘をするのは、多くが経営学者、経営評論家あるいは経済学者、経済評論家と呼ばれる人たちです。以上見てきたランキングを踏まえると、こうした人たちからそんな指摘が出てくるのは、皮肉を通り越して滑稽でしかありません。

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