トランプ大統領の知られざるいまの「懐事情」 ホテルやゴルフコース事業はどうなっている?

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こうした1回きりの手法を用いて集めた資金に、『アプレンティス』出演とライセンス事業からの4億2700万ドルを超える収入を加えれば、ゴルフコースへの投資の資金にするのに十分だったであろう。しかしこうした手法は1回きりであり、少なくともトランプ・タワーを担保にした融資に関しては、返済が必要である。

加えて、トランプはドイツ銀行から多額の融資を受けている。例えば、ワシントンに所有する旧郵便局ビルを利用したホテル関連では1億6000万ドル、ドラルのゴルフコース関連では1億4800万ドルである。これらは返済期限が迫っているが、どちらの事業も黒字にはなっていない。

政治的にも、資金面でも厳しい状況

タイムズがトランプの納税申告のデータに関する調査結果の第1弾を公開した翌日の朝、トランプは繰り返しツイッターに投稿し、自身の富に疑念が差し挟まれるのを何とか防ごうと、「資産価値と比較すると借入額はわずかだ」などと主張し、「すべての保有財産、資産、および借入を記載」した明細を公開する可能性も示唆した。どのような明細に言及しているのかは定かではない。そもそも大統領として提出が義務付けられている資産報告書には、すでに資産と借入の額が記載されている。

トランプは、再選を目指す戦いの最後の数週間に突入する中、ほとんどすべての世論調査で民主党候補ジョー・バイデン前副大統領にリードを許している。トランプは、政治的にも資金面にも挑戦を突きつけられているのだ。

トランプが金欠時にかつて頼った駆け込み寺の多くは、もう閉鎖されている。2015年に大統領選挙への立候補を表明した際、メキシコ人に対して人種差別的発言をしたとして、『アプレンティス』を放送していたNBCはトランプとの関係を断絶した。これまた頼れる資金源となっていた美女コンテストのミス・ユニバースの所有権も売却している。ホテルのライセンス契約は、ほとんどどれも終了している。

先月、暗く混沌としたアメリカを救う存在として自身を売り出そうと、共和党の党大会への準備を進めていたトランプは、2人のエンターテインメント業界のベテランに助言を求めた。どちらも、どんちゃん騒ぎの眩い演出を過去非常に成功させた経験を有している。

どちらも『アプレンティス』の制作に携わった人物だ。

(執筆:Mike McIntire記者, Russ Buettner記者、Susanne Craig記者)
(C)2020 The New York Times News Services

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