トランプ大統領の知られざるいまの「懐事情」 ホテルやゴルフコース事業はどうなっている?
2006年から2010年代を通して、トランプはさらに11のゴルフコースを所有することになり、自身が称するところの帝国の新たな核となるビジネスを築き上げた。
トランプがゴルフコースに投じた資金は驚くべき額で、それまでカジノに多額の資金を投じて最終的には大失敗に終わった投資を思い起こさせるものだ。
納税申告によると、2014年からの3年間で、トランプ氏はスコットランドに所有するターンベリー・ゴルフコースに1億4450万ドルを投じている。同コースは毎年赤字続きであるにも関わらずだ。トランプ氏は、フロリダ州ドラルに所有するリゾートにも2億1300万ドルを投じており、結果は似たり寄ったりだ。
出演とライセンス事業料が急降下
それと時期を同じくして、トランプ氏の主な収入源である『アプレンティス』への出演とライセンス事業は、同番組の視聴率の急降下に合わせて、2011年から急激に減少し始めた。2011年には5100万ドルであったのが、2014年には2100万ドルまで落ち込み、最終的に2018年には300万ドルを下回っている。
このような状況であるからこそ、ロシアやギャングから秘密裏に金銭を受け取っているのではないかとの、根拠なきうわさがささやかれるのだ。
納税申告によると、実際にはよりありふれた手段で資金を集めたようだ。納税申告では、トランプはゴルフコースに多額の資金を投じる間、そのほかの場所から資金をかき集めており、そこからは緊急で資金が必要であったことが伝わってくる。
2012年には、トランプが所有する中でも価値が高い部類であるマンハッタンのトランプ・タワーの持分を担保として、1億ドルを借り入れている。その1年後、トランプはニューヨークとカリフォルニアでビルを所有する不動産パートナーシップの株式を売却して、9580万ドルを得ている。2014年には、株式や債券を売却して、9800万ドルを確保している。