トランプ大統領の知られざるいまの「懐事情」 ホテルやゴルフコース事業はどうなっている?
また、メキシコで計画されたトランプ・コンドミニアムホテルの個室の購入予定者たちは、約3200万ドルも前払いしていたのにプロジェクトがキャンセルになり、返金がなく泣き寝入り状態となった。その後訴訟を経て最終的には和解が成立したが、法廷では一部の購入者はトランプが同プロジェクトに積極的に参加していると信じ込まされたと主張している。
「そうすることで、被告は『トランプ・ブランド』と、トランプの名前を用いて、適法で信用できる高級不動産開発会社であることを装い、購入者から信頼を引き出した」と判決文には書かれている。
トランプは、自身は名前をライセンス供与しただけであり、プロジェクトの失敗には一切責任がないと弁明し、同様のロジックをその後何度も用いることになった。フロリダ州フォートローダーデールで失敗したトランプ・ホテルへの資金提供者が訴えた別の訴訟の宣誓供述書でも、トランプは「責任があるのは実のところ開発会社だ」と説明している。
「私たちは、リッツ・カールトン、フォー・シーズンズ、またはウォルドルフ・アストリアと同じく、ホテル会社であり、名前を貸しているに過ぎない」とトランプは言う。
次はゴルフ場に食指
新たな収入源を得たトランプは、高級ゴルフコースを次々と購入したが、どれもその後大幅赤字に転落することになる。
トランプ氏の納税申告には、トランプの富の源泉はリアリティー番組とそこからの名声を生かした事業であったことが示されている。それに加えて、どす黒い憶測を呼んでいるとまでは言わないにしても、長期間にわたってかなりの疑問を集めている問いに対しても、納税申告は部分的に答えを教えてくれる。トランプは、一体どこから数億ドルの資金を捻出して、ゴルフコースの購入と運営資金確保を行ったのか、という問いである。
トランプは、テレビ出演を開始した時点では、営業中のゴルフコース2つ、そして改装中のゴルフコース2つを所有しているのみであった。しかし、めいのメアリー・トランプが最近出版した家庭内事情の暴露本によるとトランプが「尋常ではない時間をつぎ込んでいた」趣味であるゴルフはつねに、いつの日かトランプ氏の次なる金儲けの道具になる運命にあったようだ。
「私はマンハッタンの最高クラスのビルを複数所有している。ニュージャージーの最高クラスのカジノを複数所有している。私は素晴らしい物件を建てるのだ」と、トランプは2002年に記者を前にして自慢した。「ゴルフは、自分でプレーするよりコースを作る方が、実のところ楽しい」。