「世界一忙しい日本の教師」を救う親の"神対応" 教師に相談したいときに加えたい"一言"
保護者にとっては「どのように学校や教師と関わっていけばいいのか」「先生が元気で意欲的であることが、ひいては子どものためになる。そのためにどうすればいいのか」と考えておられる方もいらっしゃるかもしれません。
私は、いろいろな先生とお話ししていて思うのですが、最近、学校の先生方は少し保護者にこびすぎて、かえってうまくいかなくなっていると思います。
とくに若い先生には、「何かあったらおっしゃってください」とずっと低姿勢で、保護者と接している方が多いと思います。これでは、保護者には「つい苦情を言いたくなってしまう相手」に見えてしまいます。まるで店員と客、サービスを提供する側と受ける側のような関係です。
「何かあったらおっしゃってください」「苦情を受け止めます」というのは、教師と保護者が、いわば「面と面で向かい合う関係」です。そうではなく、教師は保護者の方々と「横並びの関係」をつくってほしいのです。
保護者と教師は本来、同じ方向を向いて、子どもの教育という目的を共有している仲間、パートナーです。このことをできれば新学期開始の早い時期に、教師のほうからリードして保護者に伝わるようにしてほしいのです。
「私たち教師はお子さんのためにベストを尽くします。皆さんもぜひ力を貸してください。一緒に力を合わせてやっていきましょう。その中で、もし何か不十分な点があったら遠慮なくおっしゃってください」
先生は、保護者に対してこんなふうに堂々と胸を張って言えばいいのです。
「消費者目線」で見られる学校と教師
現在の保護者の方々が小中学生だった頃は、親が子どもを学校に預けたら、あとは先生にお任せするというスタンスでいるのが当たり前だったのではないでしょうか。
親と学校の関係に変化が見られ始めたのは90年代以降、「学校教育は教育サービス」という意識が浸透してからです。そのきっかけのひとつは、文部科学省が教育行政についての表現で「サービス」という言葉を用い始めたことだと私は思います。
その頃から、保護者の中にも「教育もサービスなのだから不満があれば文句を言うのが当たり前」という風潮が広がり、教師の権威は徐々に失われていきました。
親にとって大事なのは、学校・教師とのやり取りの結果、「子どもにとってよい結果、メリットが返ってくる」ということです。そのためには正面切って学校・先生とぶつかることが得策であるとはいえません。
子どものためを思うなら、「子どもを教育するパートナー」として教師や学校と付き合っていくことが大切なのです。