北京に住む日本人が見た中国政府のコロナ対応 「未知の事態」への対応は遅すぎるものだった

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国内では人を閉じ込めているのに、国外には大量に人を送り出した。おりしも春節、中国人が心待ちにしている大型連休の時期である。日常から解放され、前々から楽しみにしていた海外旅行に大挙して出かける国民の気持ちは、理解できる。だが、どこかの国が中国人に対する入国制限でも匂わせようものなら、「過剰なパニックを撒き散らしている」などと騒ぎ立てる政府の態度は、まったく理不尽である。

目まぐるしく変化する中国

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コロナ禍の中国では、ウイルスへの認識、その対策、人の行動、街の様子が目まぐるしく変わった。言っていることもコロコロ変わった。1週間前に起きた出来事を、思い出せないのではないかと感じるほどの激しい変化だった。コロナ禍は現在進行形である。後に事実誤認が明らかになることもあるだろう。

だが、新型コロナウイルスが全世界の人の命を危険に晒し、人類の行動さえ変えた事実は疑いようがない。だから、その流行の発生源となった中国で何が起き、中国が何をしたかをあいまいなままにしておくことはできない。

宮崎 紀秀 ジャーナリスト

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みやざき のりひで / Norihide Miyazaki

日本テレビ報道局、社会部警視庁担当記者、外報部デスク、中国総局長などを経て現在はジャーナリストとして北京在住。主に「バンキシャ!」「ミヤネ屋」「ウェークアップ!ぷらす」など日本テレビ系列で放送する報道番組にコンテンツを提供。中国がらみのルポを得意とする。

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