セールスフォースが人間臭く顧客に接する理由 関係者が語る「トレイルブレイザー」の人類愛

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「こんなことをやれるかな」と考えながらツールをひもといていくと、「これもできるじゃん」と解決できる。その背景に詰まっているものを感じるにつれ、このセールスフォースという巨大な船に乗らないのは損だと思い、周囲に薦めたくなりました。

まずは事業課題、そしてツールがある

田中:僕は、セールスフォースを使いこなしていくにも段階があると考えています。第1段階は、自社の事業課題を適切に捉えて、その解像度を上げていくこと。これができていることがまず大事です。

田中大介(たなか だいすけ)/メドレー執行役員。国内金融機関、グーグルを経て、2016年よりメドレーに参加。現在はオンライン診療やクラウド型電子カルテを提供する事業に従事。 SNSを通じてセールスフォースの活用について積極的に発信し、「Salesforce道場」という私塾を開催するなど、セールスフォースの「野良エバンジェリスト」として活動中(写真:本人提供)

そして次の段階が、その課題をツールにどう落とし込んで実現するかです。そこに、セールスフォースのさまざまなリソースやノウハウがあり、なんとでもなっていくのです。

僕は、ユーザーとして発信していますが、特に伝えたいのは第1段階なのです。それは本来、プラットフォーマー側がやることではなく、それぞれの現場で戦っている個人や会社が意識してやるべきことだからです。

僕なりの仮説ですが、セールスフォースは「トレイルブレイザー」というキーワードを通して、第1段階の「それは自社でやろう」という部分について、意識を高く持ってやってほしいと思っているはずなのです。

でも、そのまま言うわけにいかないので、「僕らは開拓者なんだ。一緒にやっていこうぜ」と言って、うまく立ち上がってもらいたいのではないかと思っています。

赤川:鋭いですね。『トレイルブレイザー』の本には、メリルリンチがセールスフォースを導入したものの、最初はなかなかうまくいかなかった事例が書かれています。小西さんは、セールス側として導入にあたってどんな課題を感じていましたか?

小西:プロダクトを売るのではなく、プロジェクトをともに作ることが大切だと思っていました。田中さんがおっしゃるとおり、セールスフォースは事業課題を解決するためのツールです。使い方が小さければ小さい成果、大きければ大きい成果になります。

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