セールスフォースが人間臭く顧客に接する理由 関係者が語る「トレイルブレイザー」の人類愛

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赤川:田中さんは、「セールスフォースは宇宙だ」とまで発言されていますね(笑)。

田中:そうなのです。人類が想像できることで、セールスフォースに実現できないことはありません。このツールには、この世のすべてが存在しています。そうしたら、この『トレイルブレイザー』の本の中でもマーク・ベニオフさんが、最も重要なステークホルダーは地球だと書いていました。その目線の高さに驚いてしまいました。

「トレイルブレイザー」とは何か

赤川:「トレイルブレイザー」という言葉は、社内ではどのような定義で使われていたのですか?

成田:「セールスフォースを使って自社の変革を推進していく開拓者」という意味ですね。

小西:この言葉が生まれる前から、セールスフォースを駆使して、このツールに魂を込めて価値を生み出したり、イノベーションを起こしたり、チェンジリーダーになっていただける方の人口を増やさなければならない、それが共有されていた課題でもありました。

小西真一朗(こにし しんいちろう)/New Relic代表取締役社長。アクセンチュア、エル・ティー・エスを経て、2011年セールスフォース・ドットコム入社。コマーシャル営業本部営業部長をはじめ、ダイレクトセールスやアライアンス分野におけるリーダーシップポジションも歴任。 2018年より現職(写真:本人提供)

セールスフォースは、ビジョンを体現している人材を見つけて、その人をヒーロー化していくことが得意ですが、以前は社内の優秀な営業担当者や、お客様のエグゼクティブをヒーロー化していました。

しかし、「トレイルブレイザー」という言葉が登場して、実際にセールスフォースを毎日使っている方こそが、セールスフォースとお客様自身、どちらの成功も両立させていくためのいちばん重要な方だよね、ということで目線がグッと現場に向いたのです。

それ以来、投資の行き先も変わり、イベントも現場で実際に使っていただいている方のためのものが増えましたし、営業も現場の声に耳を傾けるようになった。エポックな出来事だったように感じます。

赤川:田中さんが、セールスフォースにのめり込んだきっかけは何ですか。

田中:まずはゴリゴリのユーザーとして、実際に使うなかで、すごさを感じていきました。僕は前職がグーグルでしたので、パブリック・クラウドとは何かをよく考えますが、それは、大きな船に世界中のユーザーさんが乗るようなものだと思っています。

そして、このツールには、セールスフォース20年間の歴史のなかで得た、世界中のあらゆる営業組織、現場の人々が悩み抜いた血と汗と涙の結晶が詰まっています。

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