中国「実験段階ワクチン」の数万人接種は安全か 治験完了前「明らかな副作用は皆無」と説明

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多くの西側諸国では、専門家が治験完了前のワクチンの緊急使用に反対している。長期的な有効性と副作用の可能性が把握できないからだ。

米ジョンズ・ホプキンス大学のワクチン研究家アンナ・ダービン氏は中国の緊急使用プログラムについて、「コントロールグループ」と比較対照する標準的な治験を行わなければ効果の判断は不可能だとし、「極めて問題が多い」と話した。

中国以外で実験段階のワクチン使用を認めている国はわずかで、その1つがロシアだ。

外国が購入

アラブ首長国連邦(UAE)は今週、シノファームのワクチンの緊急使用を承認した。中国のワクチンに外国で緊急使用の承認が下りるのは初めてのことだ。

UAEは6週間前に治験を始めたばかり。高官らによると、治験の間、予想された軽い副作用は出たが、深刻な副作用はなかった。

関係筋によると、カンシノには複数の国々から打診があった。軍での使用許可が関心を呼んだという。カンシノからはコメント要請への返答が得られていない。

CNBG幹部は、複数の外国が実験段階のワクチン約5億回分の購入に興味を抱いていると述べた。

米シンクタンク、グローバル・ヘルスのヤンゾン・フアン氏は「中国がこの逸話から、自国はパンデミックの原因ではなく解決役と見なされている、という物語を作り上げようとしているのは明らかだ」と指摘。「トランプ(米大統領)が米国第一主義をとり、多くの国々による米国製ワクチンの購入機会を断っているだけに、この物語は皮肉にも一段と説得力を帯びるかもしれない」と語った。

(David Stanway記者、Miyoung Kim記者)

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