「仕事の電話で嫌われる人」がついしていること リモートで仕事の効率を上げる電話のマナー
最後に、電話の活用に役立つビジネススキルをいくつか紹介したい。電話のマナーについて新人研修で学んだ人は多いだろうが、電話で話す内容や質問を組み立てる思考力を考える機会はそう聞かない。今、それを学び直すことは、コロナ禍で変容するビジネスコミュニケーションにも適応し、さらなるスキルアップにつながるだろう。
1つ目に挙げるのは、「論理的な思考力」である。電話では、短い時間で話したいことや聞きたいことを的確に伝える必要がある。まずは言いたいことが正しく伝わらなければ始まらないから、論理的に話を組み立てることが大切だ。
次に「ファシリテーションスキル」である。ファシリテーションは会議の場で使う能力だが、電話の場でも意識的に使えると、短い時間の中でもクイックに議論を進めることができる。
電話でのコミュニケーション不全を防ぐには
3つ目は「質問力」である。
下図は部下を相手にしたケースの事例で、質問しようとしていることの答えが自分と相手、どちらにあるのかをマトリックスにしたものだ。左上の「答えが自分にも相手にもある」、この場合は電話の目的は確認であり、チャットで済むかもしれない。
右下の「自分にも相手にもない」場合は、一緒に考えないとならないため、電話より会議のほうが良い。右上の「自分にあって相手にない」場合は単純な質問、左下の「自分になくて相手にない」場合は指導、教育、伝達にあたり、電話でクイックに解決できる領域だといえる。
なお、電話で話した内容は、事後にチャットに残しておく、あるいは定例会議で報告するなど、情報共有することを推奨する。ある意思決定がほかの事案の判断に影響することも多い。情報の透明性を保ちブラックボックスをつくらないことで、「言った。言っていない」などのトラブルも防ぐことができる。
対面コミュニケーションがままならない中、さまざまなコミュニケーション不全も生まれている。テキストで用件を伝えたあと、顔を合わせたときに確認しながらフォローアップする、あるいは会議が終わったら1分立ち話をして感触を聞くなど、相手の心理状態を見ながら交わすちょっとした会話は、人間関係を円滑にする。リアルなオフィスでは日常的に交わしていたこういったコミュニケーションは、テレワーク下では難しくなってきた。
そんな中、電話という音声によるコミュニケーションは、チャットとビデオ会議の中間で機能する、コミュニケーションの潤滑油になり得る。「ありがとう」、「助かった」など、感謝の気持ちがより伝わるのも、テキストよりは音声だろう。とにかく大切なのは、いかに相手を思って、価値のあるコミュニケーションにしていくかだ。スキルをしっかり育み、電話を適切に、効果的に活用してほしい。
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