「仕事の電話で嫌われる人」がついしていること リモートで仕事の効率を上げる電話のマナー

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3つ目は、相手の質問の意図が正しく把握できない場合である。筆者はよく社内のチャットで質問を受けるが、書いてある情報だけを見て答えられる質問と、もっと質問の意図や背景を深掘りしないと答えられない質問がある。誤った認識だと回答の方向もずれてしまうため確認が必要だが、そこでテキストの応酬になるのはあまり生産的とはいえない。そこで電話で質問の意図を聞き、簡易的に回答できる場合はその場で話す。回答に時間を要する場合は、のちほどテキストで回答するという方法をとっている。

言い添えておきたいのは、いずれの場合でも、相手の都合をあらかじめ聞いてから電話をするのが大前提ということだ。社内の相手であれば社内スケジュール表で確認する、社外の相手なら「お電話するのにご都合の良い時間帯などはありますか?」と最初に聞いておいたうえで、「この時間帯で数分会話できますか?」と事前連絡するのがマナーだと心得ておこう。

 相手に負荷をかけず、正しい情報交換をするために電話が適切な場合には、積極的に活用すべきだ。しかし冒頭に述べたように、電話を嫌う、苦手だと感じるビジネスパーソンが少なくないのも事実である。かかってきた電話によって、自分の時間を不当に奪われたと感じるのはなぜなのかを分解していくと、見えてくるものがある。

電話は相手の時間を奪うのではない

嫌われる電話の特徴は、まずは相手の時間の都合を無視した電話だ。事前の打診がない突然の電話はもちろんのこと、チャットで質問・回答すれば簡易に済むことや、テキストでないと回答しづらいことを電話で聞くのは、自分の都合で早く回答が欲しいだけだろうと反感を買っても無理はない。

また、ときおり遭遇するのが、質問を整理するのが大変だからとりあえず電話する、というマインドセットの人である。これは論外だ。こういう人からの電話は何を聞きたいのかも判然とせず、こちらが一緒に整理していかなければならない。その時間は、電話を受けた相手からするとかなりのストレスだ。このような電話を続けていると、信頼残高はどんどん目減りしていくだろう。

論理的に物事を整理し、何を聞きたいのかを言語化するにはスキルが必要だが、意識して努力すれば習得できるものだ。このような「とりあえず電話」をしてきたのが自分の部下であれば、「電話をかける前に3分間、自分の中で質問を整理することを心がけてみてください」と、成長を促すことも必要である。

「電話は相手の時間を奪う」という表現は、言い換えれば「相手の時間をいただく」ということだと筆者は考えている。いただいた時間に対してきちんとバリューを返すことができれば、奪われたという感覚にはならないはずだ。こちらが一方的に情報を求める用件だったとしても、なぜ協力してもらいたいと思っているのかきちんと示し、納得してもらえば嫌な気持ちにさせることもない。

リターンなしに時間を使わされるのが相手にとって一番ストレスになるということを念頭において、会話にバリューを出すことを意識するのが、ビジネスにおける電話の使い方の肝となる。

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