羽田から昼間帯の米国便が飛ばない事情 10月就航のユナイテッドも深夜便
「羽田の深夜早朝便は米国に行く際、特に東海岸行きは深夜に日本を発ち、深夜に米国に着くスケジュールとなってしまい、使い勝手が悪い」(アメリカン航空のエルワン・ペリラン太平洋地区副社長)
同社はニューヨークと羽田を結ぶ深夜早朝便を2011年2月に就航したが振るわず、13年末に撤退。発着枠を返上した。いくら羽田が都心から近いといっても、深夜早朝では公共交通機関の便が悪く、利便性を享受できない。他社の羽田発米国線も同じく苦労しているようだ。
難航する日米航空交渉
羽田国際線の昼間帯の年間発着枠は今春、従来から3万回増の9万回まで引き上げられた。1日当たり40便の増便となる計算だが、実際に定期便が飛んでいるのは31便。残る9便分はチャーター向けに暫定開放されている。
実はこれこそが米国線の昼間帯に割り当てられるはずの枠なのだ。今春から羽田の昼間帯で米国便が就航していてもおかしくなかったが、そうなってはいない。日米政府間の調整が難航しているためだ。
国際線は2国が相互乗り入れを認め合う。地点を決めて、原則として何便でも自由に飛ばせることを2国間で包括的に合意する「オープンスカイ」が世界的な流れであり、日本でも一部の地方空港で活用されている。